アラサー機械設計者が転職活動を始め、DX人材を目指した理由

はじめまして!ドラフターと申します。私は社員数500名程の中小機械メーカーで設計者として働いています。

新卒から約5年半同じ会社で働いており、定年までこの会社に勤めようと考えていました。

しかし製造業の現状や将来について勉強した結果、今の会社で1人の機械設計者として働くよりも楽しく、やりがいのある仕事があるかもと考えるようになりました。

この記事では今の会社に大きな不満もなく、定年まで過ごそうと考えていた機械設計者がなぜ転職活動を始めようと思ったかを赤裸々に記しています。

実際に転職活動をしている設計者の方や今の仕事に不満はなくても将来に対して漠然とした不安を抱えている方の参考にして頂けたら幸いです。

目次

定年まで会社にいるつもりだった

私は現在働いている機械装置メーカーに新卒で2017年に入社しました。機械設計職として採用され同じ部署でずっと働いています。

上司、同僚に恵まれ人間関係がとっても良い職場です。分からない事があればすぐに聞けますし、困った事があればチーム全員で助け合う雰囲気があります。このような環境なのは中途採用の方が多く、メンバーも20代から30代の方が多いので仲間意識が強い事が要因だと思います。

お客様も紳士的な人が多く、無理難題を押しつけてきたり、仕事をしたのにお金を払わない、いわゆるヤクザのような人達は皆無です。本当に人に恵まれていると日々実感できる職場です。

また働く環境も良く、休日は年間120日以上もあり残業する・しないも本人の自由な雰囲気があります。デスクトップPCやノートPC、スマホも最新のものを支給してくれるところも会社が好きな要因の1つです。

自分がやりたい事、チャレンジしたい事も上司に交渉すればやらせてくれ、それについて足を引っ張るような人はいません。

こういった人間関係・職場環境である事に大変満足していたので私は転職する気がこれまでほとんどありませんでした。

工場の自動化やDXを推進したい

今まで転職について全く興味がなかった私がなぜ行動してみようと思ったかと言えば、「工場の自動化やDXを推進しワクワクした未来を作ってみたい!」という想いが芽生えたからでした。

生産管理システムの社内勉強会がキッカケ

2カ月程前に私は会社の中で生産管理システムの勉強会を提案しました。生産管理システムとは製造業務における管理の効率化や課題解決をサポートするシステムです。

例えば製造管理だったり、在庫管理、出荷管理、販売管理等のメーカーであれば必ず必要になるシステムの総称が生産管理システムです。設計者に大きく関わるところでいえばBOMも生産管理システムの一部と言っていいでしょう。

私が勤める会社は創業から50年以上経っており、歴史がある分、生産管理システムがつぎはぎだらけで社内の誰しもが使いづらく感じていました。また様々なソフトが入り混じっており、ソフト間の連携も悪く、この繋ぎを人がやっていたので仕事が俗人化する傾向にありました。

この仕事のやり方はまずいなと感じていた私はシステム一新の最初のキッカケとして「生産管理システムの勉強会」を上司に提案しました。その結果、勉強会が採用され私がひとまずの先生役にもなりました。

そのため私は生産管理システムについて一から勉強する事になりました。勉強を進める中で頻繁にでてくるワードがDXでした。ご存知の方も多いでしょうがDXとは企業がAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いて、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出を行う事です。

私はDXという言葉は知っていましたがどこか他人事であり、大企業が進めている今流行のワードくらいの感覚でした。

しかし生産管理システムを勉強する事でそれが他人事ではなく製造業に勤めている自分に大きく関係している事が分かってきました。特にものづくり白書DX白書を読むといかに日本のデジタル化が世界に比べて遅れており、人口減少が進み経済の衰退が予測される中でさらに世界と差がつくかが書かれていました。

DX白書2021年抜粋
DX白書2021年抜粋

日本が経済成長をしていくためにはこれまでにない価値やビジネスモデルを提案していく事が必要でそのためには国としてDXを進めていく事もはっきりと書かれていました。

DX人材になれればチャンスがある

生産管理システムの勉強をしていく中で国がDXを進めていて、更にDXを推進できる人材が明らかに不足している事が分かりました。

DX白書2021年抜粋
DX白書2021年抜粋

これは日本にとってはピンチかもしれませんが、この先何十年も働く私にとってはチャンスと捉えました。なぜなら明らかに需要が供給を上回る事が分かっており、今から自分がDX人材になれば将来的に高額の報酬や働き方での自由な選択を手にする可能性が高いからです。

報酬(給料)はスキルの優劣で決まるのではなく人材マーケットにおいて需要と供給のバランスで決まり、需要>供給であれば報酬は高くなるからです。

今は機械設計者として働いているが統計学やプログラミングを勉強してデータサイエンティスト/AIエンジニアやプログラマーになるのも面白いかもしれないと思ってこの分野の勉強も始めてみました。

VBAでプログラミングの面白さを知る

生産管理システムの勉強とは別に私は会社内でVBAを使った業務改善を行っていました。VBAを知らない人の為に簡単に説明するとMicrosoft Officeに含まれるプログラミング言語の一種でExcelやWordでの作業を自動化できます。

今回私が作ったプログラムは部品の自動発注システムです。これまで私の会社では部品単品の受注を設計部が受け取ると特定場所にフォルダを作り、発注伝票や発注する部品の一覧をエクセルで作成し製造管理に流していました。この作業は単純労働かつ価値を生まない作業なのでいつも短縮できないか考えていたところ、「VBAで自動化しちゃおう!」と思いつき、プログラムを作ってみました。

プログラム作成の中で私はプログラミングの面白さを知ることができました。具体的に言えば「PDCAを高速で回せる面白さ」です。自分でコーディングしたプログラムをPC上で1秒足らずで実行ができ、上手く動作しなかったらすぐにバグを探し、改善し、再び動作させる。できない→できる→できない→できるを繰り返しながら自分の理想とする動作を実現させていく。

これはエキサイティングな仕事で会社の就業後も残って作業し、通勤時間や家でもノートPCでプログラミングをしていました。

こんなにもPDCAを回す事は楽しいのか、機械設計とはPDCAのサイクルスピードが全く違うと感じました。

そもそも機械設計では設計から動作確認までのリードタイムが長いです。例えば3DCADでモデリングが完了しても、部品図を作成、購買に手配を掛け、外注さんや自社で部品を作り、組立てしてからやっと機械の動作を確認する事ができます。

もちろん今の時代は3Dプリンタや3Dデータでの部品調達(meviy)等のサービスがあり一昔前に比べれば設計から動作確認までのリードタイムが格段に短くなりました。しかし自分のPC上で設計から動作確認まで完了できるプログラミングの世界に比べると比較になりません。

さらに原価についてもプログラミングに掛かる費用はPCとソフト、人件費のみですが機械設計であれば上記プラス部品の費用が発生します。

そのため「思いついたからやります!」の手軽さがなく、部品の調達にはかならず誰しもが納得するような調達理由が必要になります。

今まで機械設計の現場しか知らなかった私にとって、PDCAを高速で回せる仕事がこんなにも面白い事に気づけたのは大きな発見でした。

DXのワクワク感は感情を揺さぶった

DX人材に興味を持ち、プログラミングの面白さも知った私はある本に出会いました。それがキーエンスで働いていた経験があり現在株式会社FAプロダクツ代表取締役会長、天野眞也さんの本でした。

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この本には製造業におけるDXでどんな事が実現できるかが大変分かりやすく書かれていました。私はこの本から「工場に革命が起きるのでは!!」と衝撃的かつワクワク感を感じ取ることができました。

18世紀後半に手工業から機械工業に変わった第1次産業革命。19世紀後半からエジソンが電球などを発明した事により到来した大量生産、大量消費が実現された第2次産業革命。20世紀後半、コンピューターなどの電子技術やロボット技術を活用したマイクロエレクトロニクス革命により自動化が促進され社会の隅々までモノや情報が行き届くようになった第3次産業革命。

そして現代のデジタル技術の進展とあらゆるものがインターネットにつながるIoTの発展により新たな経済発展や社会構造の変革が起きるとされる第4次産業革命を工場から実現しようとしているのが天野さんの取り組みでした。

この取り組みに心が揺さぶられワクワクしている自分がいました。

装置メーカーの技術者として働く私は様々な工場に機械を納めていましたので工場の実態を知っています。私が関わっているほとんど全ての工場は機械化されていましたがまだまだ人の介在を必要とし、今の技術があればデジタル化・無人化できる作業も人が行っていました。もちろん人が作業しているにはそれなりの理由はあると思いますが全てを自動化・デジタル化し、究極的には自律化できたらいいのにと半分夢物語の空想を抱く事がたびたびありました。

それがこの本を読み、自分が考えていた空想が実現できるかもしれない、人が働かなくても価値を生む(お金を生む)工場が作れるかもしれないと感じました。

技術者仲間しぶちょーさんからの刺激

ツイッターから知り合い既に2年以上親交があるしぶちょーさんからの刺激も今回転職活動を始めてみようと思った理由の1つでした。

しぶちょーさんは技術ブログを運営されながら、本業では大手工作機械メーカーで開発業務を担当しています。

そんな技術者仲間であるしぶちょーさんと2022年の8月に二人で食事に行かせて頂きました。

この時お互いの仕事の話になり、しぶちょーさんの現在のお仕事内容について詳しく聞かせてもらう事ができました。

元々機械設計をメインに工作機械の開発をされていましたが今は図面は一切描かずにPythonを使っての機械学習やAI等を使用し、工作機械で新たなビジネスができないかを模索する仕事をしていると話されていました。

またファクトリーサイエンティストといってIoTデバイスによるエンジニアリング、センシング、データ解析、データ視覚化、データ活用の知識を身に付けて、データを軸に経営判断を素早くおこなうアシストをおこなう人材の教育も社外で受けており、とても刺激になっている事を教えてくれました。

これはまさしくDX人材であり自分と身近で親交がある人が自分のこれまでのキャリアから軸をずらし、チャレンジしている姿に「自分もこのまま今の仕事を続けていくべきか」と考えさせられました。

同時にデジタル技術を使って大きなビジネスを作り出そうしている同世代の機械設計者がいる事に驚きと憧れを抱いていました。世の中を変えて、世界をより幸せにするチャンスが転がっているのに、ただの機械設計者として堅実に今の会社で同じ仕事を一生続けていて自分は楽しいのだろうか。満足できるのだろうか。こういった思いを抱くようになっていました。

これからやりたい事

上記のような様々なキッカケを経て、私はDX人材になってみたいという想いに至り、転職活動を始めてみる事にしました。

ただDX人材といっても

  • データサイエンティスト
  • プログラマ
  • アーキテクト
  • UXデザイナー

等、様々な職種があり更に使用する言語や分野によって細かく分ける事ができます。

私が今考えているのは、転職活動においては特定の職種に拘らずに様々な人の様々な話を聞いて自分の進むべき道を決めていけばいいかなと思っています。

ただし私がやりたい事は決まっており、工場全体を自動化・省人化・デジタル化して工場の利益率をどんどん上げていき、最終形態は工場が自律化され人が1人もいなくても利益を出し続けるしくみを作るビジネスに関わっていきたいと考えています。

それが機械設計としてなのか、電気設計なのか、プログラマーなのか、データサイエンティストなのか、営業なのかは分かりませんし、どうでもいい事だと思っています。

ドラフター転職活動

現職で工場の自動化やDXを達成できない理由

転職には少なからずリスクも伴いますし、人間関係がリセットされるといった明らかなデメリットもあります。そのため私は現職で自分がやりたい事が実現できるならばそれに越したことはないと思っています。

しかし現状今の職場ではそれは難しいという結論に至りました。その理由は2つあり、1つは今働いている会社が機械装置メーカーであるという事です。

機械装置メーカーのお客様は工場であり、そこの1つの機械として装置を納入する事によってお金を得るというビジネスです。

装置メーカーの仕事はあくまで装置を納入する事であり、そこからのオペレーションについては通常全く関与できません。そのため納めた装置がどれくらい稼働していて工場にどれだけの利益をもたらしているのかが全く不明です。また自分たちが作った生産効率の良い装置が1台あっても工場全体の利益を上げる事はできません。工場のライン上の全ての装置が優秀でなければ工場の利益は変わらないからです。

ここが装置メーカーに勤める私のネックになります。装置メーカーはあくまで1装置しか関与できないので工場を改革してDXを推進するには非常に小さい範囲でしか関わる事ができず自分のやりたい事の実現には難しいと考えました。

現職で工場の自動化・DXが難しいと考える2つ目の理由が今いる業界です。

私は薬や健康商品を扱う業界で働いています。この分野は誤解を恐れずに言うと「昨日と同じ事をする事が良い事」とされている文化があります。

当たり前ですが昨日の薬の成分と今日の薬の成分に違いがあれば命の危険にもつながるのでこの考え方に間違いはないと私自身思っています。しかしPDCAを高速で回したい私にとってはこの環境がつらいです。会社内を見ていても私達のお客様である製薬工場や健康食品工場が変化を嫌うため、装置メーカーである自社も変化しようとしません。

また変化に迫られてても薬の安全確保が第一優先の為、非常に試験や検査が厳しいです。

こういった環境は自分が行動した結果をすぐに確認し、改善につなげたい今の私とは相性の悪い業界ではないかと考えています。

もし私が装置メーカーの役員クラスや製薬・健康食品工場の工場長クラスになれれば自分がやりたい事を実現できる可能性は見えてくると思いますが30歳前後の技術者にそこまでの権限を与える可能性はほぼ0%と言っていいでしょう。

希望する転職先での働き方

ドラフター転職活動

私が今後やりたい業務は繰り返しになりますが工場の自動化・省人化をキッカケとしたDXの推進です。

私は天野さんの本を読んでワクワク感が止まりませんでした。工場を完全デジタル化し、データを取得し続けそれをディープラーニングし最終的には自律化させる。これにより働く人が0になる工場が作れるかもしれないと感じたからです。

製造業は金融業やIT業界に比べて儲かりづらい業界と言われています。さらに汚い、危険、キツイのイメージがあり、給料が低いのにこのような職場であれば自然と人が離れていきます。

私はこういった実体を変えていきたいと常々思っていました。製造業はやり方によって儲かる仕事だし、将来的には人が働かなくてもお金を産む仕組みを作り出せる産業なんだという事を証明したい!そんな想いも持っています。

そのために自分がDX人材になり、ものづくりが儲かる仕組みづくりになるためのお仕事をやっていきたいです。

業界としては製造業を希望していますが扱う品目についての希望は全くありません。

また職種についても希望はありません。今まで機械設計者として約5年半働いてきましたがこのまま機械設計でもいいですし、電気設計、プログラマ、データサイエンスティスト、営業、何でも構いません。

日本のDXを進めてもっと豊かで幸せな世の中を作りたいんだという熱い気持ちを持った方々と一緒に仕事ができたらいいなと思っています。

転職初体験の私を応援して欲しい

私にとって初めての転職活動です。本やネットからの情報を得て活動しておりますが1番欲しい情報は転職活動や転職経験のある技術者の生の声です。

自分のこれからのキャリアについて様々な人からのアドバイスを聞いてみたいと思っています。

簡単なキャリアカウセリングをしてもいいよという方がいればこちらのの問い合わせフォームまたはツイッターのDMリンクトインから連絡を頂けると嬉しいです。

ツイッターでは日々の転職活動の記録を「#アラサー機械設計者転職日記」で報告していますのでのぞいてみて下さい。

ドラフターの採用に興味がある方へ。自己紹介記事

ここまで記事を読んで頂きありがとうございます。

もし私を採用してみたいと少しでも感じて頂いた方は問い合わせフォームまたはツイッターのDMリンクトインからご連絡頂けますと幸いです。

一緒に働く仲間を探している方、採用担当の方、転職エージェントの方からのご連絡をお待ちしております。

私のプロフィールについてはこちらにまとめております。

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