今回は超大手日系メーカーで10年以上生産技術職として働いていたジュンさんにインタビューをさせて頂きました。
長年、生産技術職として働いた経験からこの仕事が向いている人と向いていない人がいるということをジュンさんははっきりおっしゃっていました。
これから生産技術職を志す方や転職を希望する人に参考になる記事になっています。
ジュンさんの外資系メーカーで働いていた時の体験談を知りたい方はこちらにインタビュー記事を載せています。
ジュンさんに聞いた生産技術者が向いている人
給料をあげたい人
わたしの場合は高卒で入社して25歳の時に年収500万円を超えました。
それ以降は休職してたこともあり給料は伸びなかったですが製造業としてはかなり多いし額をもらってました。
三交代や二交代勤務もしてたのでそちらの手当ても大きかったですね。
製造業の給料水準は低いことで知られていますが超大手になると給料水準は高くなります。
さらに生産技術職の場合はデータ取り等で夜勤や休日出勤がある場合もあり、その手当で収入がアップします。
機械設計職の場合は夜勤手当がない職場が多数なので今収入のことで悩んでいる機械設計者は交代勤務制の生産技術職も転職の選択肢に入れておきましょう。
夜勤手当と休日手当”]時間外、休日及び深夜の割増賃金(第37条)
時間外、深夜(原則として午後10時~午前5時)に労働させた場合には2割5分以上、法定休日に労働させた場合には3割5分以上の割増賃金を支払わなければなりません。
つまり残業や休日出勤、夜勤をした場合は通常の給料の1.25倍以上の賃金がもらえます。
様々な職種を経験したい人
必ずしも希望が通るわけではありませんが通ることは多いです。
実際私も製造→ 設備技術→治工具設備と職種を転換してきました。
日系大手メーカーの場合は社内に職種が様々あり人材も豊富なためジョブローテーションが実施されやすい環境にあります。
これが中小企業の場合はジョブローテーションをする余裕が社内にたいため同じ職種を長年続けないといけない場合が多いです。
20代や30代までに様々な職種を経験したい場合は日系大手メーカーで働く方がいいと言えます。
一般的に生産技術者に向いている人
ものづくりが好きな人
ものづくりが好きな人にとっては生産技術職はピッタリの仕事です。
ものづくりの最前線が生産技術職の仕事場です。
デスクで仕事をする時間よりも現場にでて機械を観察しデータを取り時には現場の人と協力して仕事を進めていきます。
より良い生産現場にするために装置や工程を作り込んでいく作業がしたい人にとってはピッタリの仕事です。
他部署との折衝力が高い人
生産技術の仕事は自分の部署だけで仕事が完結することはありません。
- 機械設計
- 電気設計
- 制御設計
- 製造部
- 品質保証部
これらの部署と協力しながら装置の製作、改善にとりくみます。
自分だけ頑張っても装置は作れないので他部署と上手く調整できる方が生産技術職に向いています。
学生時代や社会人経験の中で全くの他人と協力して仕事をやり遂げた経験がある方は生産技術者に向いています。
人とコミュニケーションを取るのが好きな人
コミュニケーションを取るのが好きな人は現場の人に好かれるため生産技術職で上手くやっていく事ができるでしょう。
生産技術職と最も関わり合いが深い部署が製造部です。
製造部の中には中卒から現場で鍛え上げられたベテランの方からパートの女性の方まで年齢層が幅広いです。
このような方達と上手く仕事をできるコミュニケーション力が高い人は生産技術職向きの方です。
生産技術職の中にも設計力が高かったり、制御の知識が豊富な方がいますがコミュニケーション能力が高い人はあまりいません。
そのため上手くコミュニケーション能力を会社や上司にアピールできれば優秀な生産技術者として認められます。
ジュンさんに聞いた大手メーカー生産技術者が向かない人
交代勤務ができない・苦手な人
私は2交代勤務と3交代勤務を経験しましたが3交代勤務の時は体がしんどくてホント辛かったです。
2交代勤務は24時間を2つに分け12時間交代で働きます。
3交代勤務は24時間を3つに分け8時間交代で働きます。
生産技術職でも夜勤ありの交代勤務がある場合は向かない人にとっては大変つらいです。
体のリズムを崩しやすいので特に夜勤が初めての人にとっては慣れるまでは苦労します。
また一定数、夜勤や交代勤務に身体がどうしても慣れない人も存在します。
夜勤ができない人は交代勤務がない職場を選びましょう。
現在生産技術職を探している方は転職エージェントや面接官に夜勤の有無は必ず確認しておきましょう。
多岐にわたる業務に対応できない人
工程改善、治具設計、保全、更に製造現場に人がいない場合は製造の助けにも入りました
トラブルが多い時はホントに忙しくてかなり気が滅入りました
生産技術職の業務はホントに幅が広いです。
自社で行う工程改善や治具設計もあれば外部業者と協力して設備を作り上げることもあります。
そのため一日中席でじっとしてることは少なく、現場にでたり、会議にでたり外部業者と打ち合わせをしたりと業務が目まぐるしく変わります。
様々な業務を忙しくこなすことが性格にあっている人であれば生産技術職はまさしくピッタリの仕事です。
しかし1つの仕事を腰を据えてじっくり取り組みたい人にとっては向いていない仕事と言えます。
シングルタスクで自分のペースで仕事を進めたい人は生産技術職よりも設計職が向いているでしょう。
一般的に生産技術者に向いていない人
ものづくりに関心を持てない人
ものづくりに関心を持てない人は生産技術者として働くのが難しいです。
生産技術者はものづくりの最前線である現場で作業しないといけません。
時には深夜までの残業や休日出勤をする必要があります。
こういった嫌な仕事をやらなければならないため「ものづくりが好き」という気持ちがなければ続けることが難しいです。
コミュニケーションが苦手な人
他人とコミュニケーションを取るのが苦手な人は生産技術者は向いていないです。
生産技術者は社内はもちろんのこと社外の業者さんとも一緒に仕事をする機会が多いです。
初めて会った人と意思疎通が取れなければ仕事を進めていくことができません。
- 初対面の方としゃべることが苦手
- 自分の意志を相手に上手く伝えられない
こういったコンプレックスがある方は生産技術職は難しいです
論理的思考が得意な人
論理的思考が得意な人は生産技術職に向きがちと思われますが実は逆です。
生産技術職の最大の任務は「生産装置を安定的に動かす」ことです。
- 装置が壊れてたら1秒でも早く直す
- 不良率が異常に高くなったらとにかく不良を少なくする
本来であればデータを取り分析をしたい場合でも目先の生産のためにすぐに手を動かし機械を直す場合が多いです。
論理的思考が好きな人にとっては「なぜ」と思う場面が多くストレスになります。
それが原因で生産技術職を辞めてしまう人もいます。
長時間労働・休日出勤ができない人
朝誰よりも早く来て、夜誰よりも遅く帰るのが生産技術職と言われています。
トラブルになればすぐに機械を直さないといけないために翌日に持ち越すことはできません。
機械が直るまでだったら徹夜してもやらないといけないことがあります。
機械を止めておくということは生産が止まってしまい会社の損失になるからです。
新規装置の導入は長期休みに行われるのが工場の鉄則です。
そのためゴールデンウイーク、お盆休み、正月がない時もあるので世間一般と休みが合わないのが嫌な人にとっては生産技術職は向いていません。
汚れ仕事ができない人
ものづくりの最前線で働く生産技術職は汚れ仕事も多いです。
現場にでれば油や鉄粉が多いので手や髪の毛に付着するのが普通です。
生産技術職のイメージは机に座り分析をしたり、設計だけをしていると思っている人がいれば注意が必要です。
特に中小企業の場合は一人で様々な業務をこなす必要があります。
- 装置導入
- 工程改善
- 機械のメンテナンス
机の前で座っているだけでは完結しません。
常に現場に出て手が汚れる仕事もできる覚悟を持っていないと生産技術職は務まりません。
大手メーカー生産技術者になる方法
ジュンさんは工業高校卒業後、新卒で日系大手メーカーの生産技術職に就職することができました。
日系大手メーカーに入社するために最も楽な方法は新卒での入社です。
採用人数も多く、高校の先生の推薦や大学の研究室から毎年入社枠がある場合もあるからです。
転職で入社する場合はハードルは新卒に比べると上がります。
しかし近年は生産技術職の需要も高まっており、大手メーカーに転職している人は多くいます。
転職している人のほとんどは転職エージェントを利用しています。
転職エージェントとは人を採用したいと思っている会社と転職したいと考えている人をマッチング(仲介)する会社のことです。
全て無料で使うことができ転職希望者にとってはメリットしかないサービスです。
もしはじめて転職エージェントを利用する人は何から始めていいのか分からない人が多いと思います。
そういった方はこちらの記事を参考にして「転職エージェントとはどういうものか」、「何から始めていいか」を勉強してみて下さい。
上記の記事でも紹介しているリクルートエージェントやマイナビエージェントは初めて転職エージェントを利用する人にも評判が高いエージェントです。
ご興味がある方は公式サイトをのぞいてみて下さい。
生産技術者の声が聞けるブログ紹介
自身の生産技術経験を伝えているブログを3つ紹介します。
1つ目は転職で電機業界と自動車業界を経験している生産技術者さんshinさんの「【絶対に辞めておけ】生技歴10年が語る生産技術に向かない人はどんな人か?」です。
生産技術職に向いていない人を分かりやすく言い表しています。
2つ目は現在機械設計エンジニアとして働いているトモヤさんが生産技術職時代のきつい時代を赤裸々に語っている「【生産技術はきつい…】経験者が激務でブラックだと断言する6つの理由」です。
過酷な生産技術職の実態が垣間見ることができます。
最後は化学メーカー生産技術者yamatoさんの「生産技術職がきつい6つの理由と乗り越えた先の4つのメリット【体験談】」記事です。
大変な生産技術の仕事を乗り越えた先の4つのメリットに語ってくれています。
以上、生産技術者の生の声が聞けるブログ紹介でした。
私は生産技術職の経験はありませんが友人や知り合いに生産技術職の方はたくさんいます。
もっと生産技術について詳しく知りたい、話を聞いてみたいと思われる方はTwitterのDMかこちらの問い合わせフォームからご連絡下さい。