企画書と仕様書の違いを明確に答える事ができない人が多いです。
この2つに具体的な定義がないためという理由もあります。
しかし機械メーカーの場合は企画書と仕様書は明確に場合分けされます。
企画書はある一部の人にしか開示されず個人的なものです。それに対して仕様書は機械メーカー内はもちろん、協力会社、お客様にも一部であれば提示できるものです。
この2つの違いについてこの記事では解説していきます。
企画書は秘密が多い個人的な物
企画書は一言で言えば「秘密が多い個人的な物」です。いわゆる企業秘密です。
例えば自動車メーカーが新型車の開発を企画したとします。この情報(企画書)が外部に漏れてしまった場合どうなるでしょうか?
ライバルの自動車メーカーが「○○社が新型車の開発をしていて、新たな特許技術を習得しようとしている。先に開発して特許を取って市場に売り出そう!」と考えるかもしれません。
先に重要な技術の特許を取られてしまえばどうする事もできなくなります。ライバルに市場のシェアを奪われてしまうでしょう。
そのため企画は誰にでも教えていいものではありません。株式会社として利益を上げる事を優先にしているのであれば尚更、秘密にしないといけません。
企画書は同じ社内でも経営陣と開発部の一部の人間にしか開示できない場合も上記の理由からあります。
機密文書と言うところが企画書の特徴です。
仕様書は誰にでも見せていいもの
秘密が多いのが企画書の特徴でした。その逆が仕様書です。
仕様書は企画書をブレークダウンし誰にでも見せる事のできる情報のみが記載されています。
仕様書を見るのは開発部や設計部だけではありません。機械を実際に製造する製造技術、機械に問題がないか確認をする品質保証部門、機械を売る営業部門の人達も仕様書は見ます。
また社内の人間だけでなく協力会社も仕様書は見る事ができます。最近はOEMと呼ばれる受託製造をする会社が増えてきました。
OEMでは企画や販売はAという会社が担当します。製造に関してはBという会社に委託します。Bは受託元として製造のみを行い、商品をA会社に納める事でお金が支払われる仕組みです。
この時A社に「仕様書」を渡し、この通りの物を作ってくれと依頼します。そして製造されたものが問題ないかをチェックするのも仕様書を元にチェックします。
このように外部にも渡せる情報が仕様書になります。もちろん外部に渡す場合は載せる事ができない項目もありますのでそういった項目は削除します。
まとめ
企画書 | 仕様書(設計仕様書) | |
特徴 |
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企画書と仕様書の違いをまとめると上の表の通りです。覚え方としては秘密が多い文書が企画書、そうでないものが仕様書と覚えておきましょう。
仕様書の書き方については以下の記事も参考にして下さい。