現役の機械設計者である筆者がネットで機械設計の仕事内容について調べてみました。
結論から言うと”全く機械設計の中身分からん(笑)”です。
概念的な事ばかりで具体的な仕事、行動してることが全く分かりませんでした。
概念ばかりが書かれていると私は言いましたがこれって仕方ないんですよね。
だって機械設計の仕事って千差万別だもん。
例えるなら”野球選手”と”サッカー選手”くらいの違いが同じ設計者でもあります。
機械設計者のリアルな仕事内容や仕事事情について知りたいなら現役設計者の個人ブログがオススメです(このサイトも現役の設計者が運用しています!)。
具体的にどんな内容をやっているのか、嬉しい事、辛い事についてリアルな声が聞けるからです。
この記事ではオススメの設計者ブログも紹介していますのでぜひ全てのブログを読んでみて下さい。
ネットに書かれている機械設計の概要
機械設計とは機械の機構(メカニズム)を設計する仕事です。
車や産業用の機械の動く装置を設計します。
設計者の頭の中にある機械(アイディア)を具体的に形にしていく作業をします。
CAD(Computer Aided Designの略)を使って設計と製図を行い、CAE(Computer Aided Engineering)を使い解析やシュミレーションを行います。
機械設計者が設計する時に考える事はたくさんあります。
- 品質
- コスト
- 納期
- 機械強度
- 安全環境
これらの事を考えながら設計を進めなければいけません。
新規設計と類似設計
機械設計には大きく分けで2種類の設計があります。
新規設計と類似設計(流用設計)です。
新規設計では今まで世の中にない機械の開発、設計を行います。
誰も答えを持っていない設計なので難易度も高く、開発期間も長いです。
1年以内で終わるプロジェクトは少なく2,3年掛かるのも普通です。
開発コストもかなりの金額が掛かるので大掛かりなプロジェクトになります。
一方、類似設計(流用設計)とは既に世の中や会社に存在する機構を組み合わせて設計することをいいます。
新規設計に比べると難易度も低く、設計納期も短いです。
そのため設計者は少ない時間で設計をする必要があります。
機械設計の流れ
機械設計は大きく以下の工程に分けることができます。
- 構想設計(概念設計)
- 基本設計
- 詳細設計
こららについて詳しく解説します。
構想設計(概念設計)では機械のコンセプトをまとめてポンチ絵にします。
コンセプトというのは機械の大きさや材質です。
どんな機械をかをぼんやりとイメージし、ポンチ絵と呼ばれるマンガ絵に落とし込みます。
この作業は設計歴が10年以上のベテランクラスが担当します。
基本設計では構想設計でまとめたコンセプトを図面化します。
ここではCADを使って設計します。
CADは現在の日本では3DCADを使っている会社が多いです。
またCAEを使って解析、シュミレーションをして機械に問題がないかの確認作業もします。
基本設計は経験年数が4年から10年未満の中堅設計者が担当します。
詳細設計では基本設計で行った骨格作りに肉付け作業をします。
部品図を作成し量産部門に出します。
ここで不具合等があれば基本設計に戻り手直しをします。
入社して2~3年の若い設計者が担当する事が多いです。
ネットで調べても設計の仕事は分からない
ここまでネットで「機械設計 仕事内容」で私が調べた結果を書いてみました。
皆さんはこれを読んでどう感じましたか?
現役の機械設計者から見ると「いやいや、具体的な事全く書いてないやろ!めちゃくちゃ大雑把な説明やな!」とツッコミどころ満載です(笑)
しかし学生時代の自分ならば「なるほど!機械設計は構想設計、基本設計、詳細設計があるのか!頑張って仕事をしてスキルを上げ、構想設計ができる設計者になるぞ!」と思っていたでしょう。
いや私は思ってました(笑)
正直にお話しするとネットに書いてある機械設計者の仕事内容は半分本当で半分嘘です。
仕事の流れとしては構想設計、基本設計、詳細設計ですし、新規設計の場合もあれば類似設計をする場面もあります。
ここまでは本当です。
嘘の情報は別に構想設計をベテランがするわけではありません。
若手設計者も普通に構想設計しますし、基本設計もします。
もちろん会社や業態によって全く仕事の進め方も違いますが多くの設計者は会社に入って2,3年で構想も考えるし、基本設計もするし詳細設計(部品図作成)も行います。
また設計者は設計以外の仕事も山ほどあります。
- 機械の調整
- 据付やサービス・メンテナンス
- 人の調整
- 資料作成
- 取扱説明書作成
これも会社によってバラバラですが図面を書いているよりExcelやWord、PowerPointを触っている時間の方が長い人は山ほどいます(筆者もその内の一人です)。
実は機械設計者って”設計しないんだ”というのが今の日本の多くの会社、特に大企業の現状です。
リアルな情報は機械設計者ブログを読め
もし自分で機械設計者の本当の仕事内容について知りたい方は現役の機械設計者が運営している個人ブログから情報を取りましょう。
決して転職サイトや技術派遣会社のホームページを参考にしちゃだめですよ!
これらのサイトが悪いと言っているわけではないのですが企業のホームページはどうしても当たり障りのない事が書かれています。
そのためリアルではないんですよね。
もし本物の情報をつかみ取りたいなら間違いなく個人ブログです。
少し話はそれますが個人なリアルな情報を一次情報と言います。
実施に体験した人の情報です。
こういった情報は何か大事な事を決める時は積極的に積極的に収集します。
2次情報は情報が間違って伝達していたりいい事のみ書かれている事が多いので参考にしたのに間違った選択をしてしまう事も多いです。
学生の皆さんは時間やお金が掛かっても一次情報を取りにいく習慣をつけておきましょう!(このブログも一次情報ですよ笑)
話を戻しますね。
機械設計者のリアルな情報を取りたいのであれば個人ブログが一番なのですがどうやって見つけたらいいか分からない人も多いと思います。
今回は特別に現役の設計者の私から見て本物の設計者ブログを紹介します。
2022年オススメ機械設計者ブログ
個人で情報発信をされている現役機械設計者3名のブログを紹介します。
リヴィさん
リヴィさんは大学院卒業後、大企業の機械設計者となり2020年からベンチャー企業で働いている設計者です。
実際に現場で産業機械を設計されている方の声を聞く事ができる貴重な記事です。
しぶちょーさん
しぶちょーさんは工作機械の開発・設計をされている現役機械設計者です。
お勤めしている会社が大手工作機械メーカーなので、そちらで働く上でのメリット、デメリットを紹介されています。
大企業で機械設計をやりたいという方は必読です。
ENGINEER48さん
ENGINEER48さんは2022年現在、フリーランスの機械設計者として働いている方です。
文系の大学を卒業され、全くの未経験から機械設計者になり現在はフリーランスとして売上1000万円を超えています。
記事では機械設計でも開発系の設計と装置設計ではやりがいや身につくスキルも違う事を教えてくれます。
ツイッターアカウントを開設する!
機械設計者の個人ブログは設計者の生の声が聞ける最高のツールですがさらに皆さんにやってほしい事があります。
それがTwitterアカウントの開設です。
「いやいや、既に持ってるよ!」という学生や20代の方は多いと思います。
私がやって欲しいのは”機械設計者”のアカウントを持って欲しいんです。
そうすると私を含めて現役の機械設計者達と交流を深めることができ、よりリアルな仕事内容は会社での働き方を知ることができます。
もし機械設計者アカウントと分からないと絡んでもスルーされる事も多いです。
特にフォローワーが多い方はいいねの数やリツイートも毎日山ほどされているのでどこの馬の骨か分からないアカウントをフォローする事は基本的にしません。
もし現役の設計者と仲良くなりたければ名前の後に「@設計者志望」や「@機械設計見習い」と入れておくと目立つアカウントになります。
機械設計本ではリアルな仕事内容は分からない
世の中には山ほど機械設計に関する技術本が売られています。
その中には機械設計の仕事内容や進め方も書いてる事がありますがはっきり言って間違っています。
間違っているというと語弊がありますがネットと同じで当たり障りのない事が書かれているのでリアルな仕事内容や設計者の気持ちが書かれている事はまずありません。
筆者が大学の先生や研究所の先生という事もリアルな声ではない一因です。
やはり機械設計個人ブログが生の声を聞ける唯一無二のツールだと私は思います。