現役の機械設計者が技術士一次試験を受けた経緯と資格のメリット

私は2021年に技術士一次試験に向けて勉強し試験も受けました。

この記事を執筆している2021年12月4日時点では合否の結果は分かりません。

結果が合格であれ、不合格であれ私は技術士一次試験を受けてよかったと思っています。

機械設計者の方であれば全員この試験を受けて欲しいくらいオススメの資格です。

この記事では私が技術士一次試験を受けた経緯とこの試験を受けることによるメリットを解説していきます。

目次

現役の機械設計者が技術士一次試験に挑戦した経緯

現役の機械設計者として私は働いています。

入社して1年目から普段の業務に追われ、資格を取得しても給料が上がる等の金銭的メリットが私の会社ではなかったため、資格勉強を全くしてきませんでした。

普段の業務でも資格がなくて困った事はありませんでした。

技術士一次試験で問われるような4力学(材料力学、機械力学、流体力学、熱力学)の問題を解けなくても業務をこなすことができていました。

4力学とは

  • 材料力学
  • 機械力学
  • 流体力学
  • 熱力学

以上の4つを指し、機械設計者や機械系のエンジニアであれば必須の知識

工学系の学校(工業高校、高専、工学部)では必修科目になっていることが多い

材料の曲げ応力を知りたい時はネットや材料力学の本を知れべれば簡単に公式がでてきてそれに当てはめれば大きな間違いはありません。

そのため「深い知識」がなくても業務を回せます。

普段の業務をこなしてるだけで成長するの?

なんとなくでも機械設計の仕事はそれなりに務まっているし、このままでも普段の業務は問題なくできそうでした。

しかし私は1人の技術者として「このままでは技術者として全く成長しない」と思って技術士一次試験を受験することにしました。

  • 4力学について深い知識がない自分
  • 公式の根拠が分からない自分
  • 自分でも理解しきれていないのにお客様に説明している自分

このような不安もありました。

メーカーに設計者として入社して4年目の時です。

私は技術士一次試験を受験することにより、より深く4力学を知って自分の知識を強化させたかったです。

そして「技術者としての自分に自信を持ちたかった」、こんな想いで技術士一次試験にチャレンジしました。

技術士一次試験を取得するメリット

試験勉強を通じて4力学への理解が深まった

今回の試験勉強を通じて目標の1つである4力学の理解の深掘りは80%は達成できたと思っています。

過去問を使い勉強する中で

  • どうしてこの公式になるのか?
  • なぜこの式を適用できるのか?

を深く考え理解するように努力してきました。

当然、試験に合格するためにある程度、公式や問題の解き方を暗記する必要があり全てを理解したとは当然言えません。

問題を解くことができても「どうやってその公式を導いたのか」を説明できない問題の方が圧倒的に多いです。

しかし少なくても以前よりは「理解しようと考える」ようになりました。

そして今は時間がなくてできなくても教科書や参考書を読んだり、それでも分からない場合は人に聞けばいんだということも学びました。

機械をさらに勉強したいと思った

受験勉強を続ける中で

  • 機械
  • 4力学
  • 世の中の技術

を勉強したくなりました。

この意識の変化も技術士一次試験を受験してよかったと思える理由です。

以前の私は会社の業務については多少興味がありましたがその他のことについては関心がありませんでした。

それが技術士一次試験の勉強をするようになってから世の中の技術について関心を持つようになり、それを今度は自分の業務に結び付けることはできないかと自然と考えるようになりました。

この変化はとても新鮮で楽しい事でした。

普段の業務をする上で自信になった

技術士の勉強、特に材料力学や流体力学を勉強してから自分の普段の業務に自信が持てるようになりました。

例えば必要な軸の太さを計算する時も以前はネットから公式を拾ってくることが多く、その根拠も深くは考えずに使っていました。

それが材料力学で動力とせん断応力を勉強してからは公式の根拠が理解できていたので自信を持って軸の設計をできるようになりました。

私は大学で機械学科を学んでいるので知識はありましたが会社で業務をするようになり数年経つと業務の効率を優先するために深く考える時間がありませんでした。

これはもちろん言い訳であり、時間を作ろうと思えばいくらでも作れるとは思いますが私と同じような境遇の技術者は多いのではないでしょうか?

  • 工数を削減しろ
  • 生産効率を上げろ
  • 費用対効果(コストパフォーマンス)を考えろ

こういった話は今のメーカー、設計事務所には多いと思います。

仕事の時間では取れなかった「技術や工学を考える時間」を資格勉強を通じて取る事ができました。

技術士一次試験関連記事の紹介

技術士一次試験を受験し合格するまでのプロセスについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

  • そもそも技術士って何?
  • 技術士一次試験を受けるメリットってあるの?
  • 勉強方法について困っている

こういった悩みを解決できる記事はこちらに用意しています。

[box06 title=”あわせて読みたい”]【2022年版】技術士一次試験機械部門の受験から合格するまでの過程を徹底解説[/box06] [/box06]
よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

目次
閉じる