機械設計者が試用期間でやっておくべき事

機械メーカーに入社するとまずは研修期間の間に現場での機械加工や組立作業を経験します。機械設計職として入社してもまずは現場に配属されます。

会社によって期間はまちまちですが3カ月から半年現場で研修します。この経験は非常に価値のある経験です。

一度設計現場に行くと現場で作業はさせてもらえず「現場での研修期間でこれをやっておけばよかった」と後悔する設計者も多いからです。

そのためこの記事では機械設計者が現場でやっておく事を3つに絞り解説していきます。

目次

製造現場の人と仲良くなる

機械メーカーに入社後いきなり設計するという人は少ないです。新入社員はもちろんの事、中途採用であっても現場で組立研修を行う事が基本です。

組立研修は現場のおっちゃん達に教えてもらいながら組図や組立手順書を参考に機械を組立ていく作業です。

この研修でこれから設計していく機械を学んでいきます。

この時に大切になるのが組立現場の人達とどれだけ仲良くなる事ができるかです。機械の組み立て方法や安全について学ぶ事も大切ですがそれよりも現場のおっちゃん達に好かれる事が何よりも大切です。

なぜ現場のおっちゃん達に好かれる事が大切なのでしょうか?

これから機械設計者として働く時に設計部門と製造部門は切っても切れない関係です。

自分が書いた図面を元に製造部で部品を加工してもらい機械を組んでもらいます。その時に現場の人達とコミュニケーションが取れていない場合設計者として大変仕事がやりずらくなります。

例えば部品図で穴の大きさが5キリ必要だったのに図面では4キリと描かれているとします。

そういった場合は会社によりけりですが図面を修正してからもう一度出図して設計部門の上司のハンコをもらってからでないと修正加工ができない場合があります。

しかし製造部門の部品を加工しているおっちゃんと仲が良ければ電話1つで修正加工をしてくれる事があります。

設計部門で仕事ができる設計者の多くは現場の人達とコミュニケーションを密に取り、現場からのフィードバックを受けているため設計がどんどん上手になっていきます。

逆に現場から嫌われフィードバックがもらえない設計者は会社内でも孤立し何か製造で不具合が起きた時に協力してもらえない事があります。

そのため研修期間の間でいかに現場と仲良くなれるかがこれから自社の設計士として活躍する上で大切になります。

仲良くなる方法としてはおっちゃん達に積極的に質問する事です。

「これってどうなってるんですか?」、「工具の使い方教えて下さい」と可愛げある言い方でしゃべりかけてみて下さい。

強面の人達が多いですが内面は優しく、コミュニケーションを取りたくても自分からは取ろうとしない人が多いです。

そのため設計者自らしゃべりかける事を意識しましょう。

1年後や2年後に彼らに助けてもらえる日が必ず訪れます。

工具の名前と使い方を覚える

組立現場に入りまず覚える事は工具の名前と使い方です。

組立現場には普段目にする事のない工具や機械が山ほどあります。その名前と使い方を覚えましょう。

設計部門に戻ると図面ばかり見る事になるので現場に行く頻度が極端に減ります。すると工具に触れる機会もなくなります。

機械設計者なんだから組立する必要もないし工具の名前や使い方なんて覚える必要なんてないんじゃないかと思われる人もいると思います。

しかし工具の使い方を知らないと機械の組立てを理解する事ができません。

設計者がよくやるミスに組立時に工具が入らないため組立できない機械図面を描いてしまう事です。

図面上は機械が組みあがるが現場から「これどうやって工具入れんねん!」とお叱りの連絡がきます。

工具の使い方を理解しなければ組立しやすい機械を設計する事ができません。そのため工具の使い方を現場での研修期間にマスターしましょう。

電気配線のやり方を教えてもらう

機械設計者の中には電気関係については全く理解していない人がいます。

I/OやPLCと呼ばれる基本的な用語も分かっていない設計者がいます。言葉が分かっている設計者でも自分で電気配線やはんだづけをした事のある人は少ないです。

機械設計者であれど電気について詳しい事に越したことはありません。現在の機械で電気を使わずに手動だけで動いている機械は世の中に1%もないからです。

逆に言えば電気について理解する事は設計者にとって必須の能力となります。しかしながら一度機械設計職として働きだすと電気の知識を身につける時間がなくなります。

プライベートで勉強するにしてもどうしても本業の機械について勉強する必要があるからです。そのため組立研修期間で電気について学んでいく事が大切になります。

特にやっておいた方が良い作業が電気配線作業です。モーターやセンサーから電源線や信号線を配線します。この経験は機械設計にも生かす事ができます。

機械設計をする時に配線をどうやって綺麗に通すかを必ず考慮する必要があるからです。配線がむき出しになっていると見た目が悪く断線のリスクもあるためカバーをしたり、機械の穴に通したりする必要があります。

その設計は電気設計者ではなく機械設計者が行います。配線の設計をするために自分で配線をした実戦経験が必ず生きます。

そのためにも機械設計者だからと言って配線作業を避ける事無く積極的に配線しましょう。

その際に安全面だけには必ず注意をしましょう。電気は目に見えないため危険が分かりずらいですが最悪の場合感電で命を落とす事もあります。

保護具の着用とブレーカーを落とす事を常に心がけましょう。

まとめ

  • 製造現場のおっちゃん達と仲良くする
  • 工具の使い方と覚え設計に生かす
  • 電気配線作業を経験させてもらい配線設計に生かす
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