自分が機械設計者になった理由~20歳を超えてからでも設計者になれる~

この記事は機械設計に興味があり自分も設計者になりたいと考えている学生さんや若い社会人の方に向けて書きました。

私は22歳の時に大学に入り機械について学びました。通常のルートで言えば18歳で大学に入学するので4年遅れで大学に入学した事になります。

そして26歳の時に大学を卒業し機械メーカーに機械設計職として就職しました。
22歳から大学に入学するのは不安がありました。

それでも自分で調べ行動した結果アラサーになる現在機械設計者として働いています。

もし機械設計者になりたいと考えている人は大学の工学部を第一選択するかもしれません。

しかし私が通った職業能力開発大学校も機械設計者になるために十分学習でき就職に強い大学です。

もしこれから機械設計者になりたいと考えている方は是非この記事を読んで頂きたいです。

目次

22歳から機械設計の大学に入学

まず、なぜ私が22歳から機械設計を学ぶために大学に入学したのか、その経緯を書きます。

私は高校を卒業後、東京のリサイクル工場で働いていました。

この会社は家電のリサイクルをやっている会社で当時テレビが地デジになりブラウン管から液晶テレビに買い替えの時期でもの凄く忙しい会社でした。

この会社で私は家電を分解する作業をしていました。いわゆる作業員として働いていました。仕事は最初は楽しかったです。

できない事ができるようになりお金も高校でバイトしてた時の3倍くらいはもらえたからです。

しかしそれが一年、二年続く内に不安になってきました。これが一生続くのかなと。それは嫌でした。

だからと言ってやりたい事は特にありませんでした。だけど何かをやらなきゃという気持ちだけはありました。

そんな時ふと、勤務中に工場の機械を見ていて面白いなと感じました。ベルトコンベアで次々と運ばれている家電を見るのは僕は好きでした。今で言うピタゴラスイッチです。

これを自分で作れたとイメージするとワクワクしてきました。子供の頃からトミカやプラレールが好きでよく組立していたのも影響していました。

俺、機械設計士になると決めたのが22歳になる春でした。

僕が機械設計を学んだ職業能力開発大学校

機械設計をするために何をしたらいいか分かりませんでした。だからまずはネットで「機械設計 なるには」で検索をかけました。検索結果は大抵大学の工学部に行くのが良いと書かれていました。

しかし僕には大学の工学部に行く選択肢はありませんでした。なぜなら僕は勉強が苦手だったからです。高校時代もクラスの下から三番目をウロウロしていたくらい勉強ができませんでした。

だからセンター試験を受けて入学する通常の学校は難しいと思いながらもそれしか選択肢がないのならばやるしかありませんでした。

4月に機械設計士になると決めてそれから仕事終わりや土日に参考書を使って勉強をしていました。

勉強を続けていたある日、ネットでどんな大学だったら受かるだろうかと検索していると職業能力開発大学校という文字を目にしました。20年近く生きてきて初めて聞く名前の大学でした。

調べてみると厚生労働省が管轄しているから国立で学費も安い、専門知識も身につけら就職率も高い、何より入学試験が面接と数学しかありませんでした。

これはまさに自分が探していた大学でした。

職業能力開発大学校に入学するには

職業能力開発大学校に限らず大学に入学し通学し卒業するためには学費や生活面の「お金」と「入学試験を通過する」という2つの関門があります。

まずはお金について。学費は4年間で約200万円かかります。入学金は専門課程で169,200円、応用課程で112,800円かかります。

専門課程、応用課程というのは職業能力開発大学校の特別な仕組みです。最初の2年間は専門課程と呼ばれていて機械の基礎について学びます。

この2年間で卒業し働く事もできます。扱いとしては専門学校卒になります。専門課程を卒業しさらに機械について学びたい者や4大卒として就職したい人は応用課程に進む事になります。

そのため専門課程のみの場合は専門課程の入学金169,200円のみ、応用課程にも進む場合はさらに112,800円かかる事になります。年間の授業料は390,000円かかります。

これは専門課程、応用課程共通です。

入学金、授業料で4年間で200万はかかる私立大学の工学部に比べれば格安です。

生活資金は人により違いがあります。実家から通うのか一人暮らしするのかでも大きく変わります。

一人暮らしする場合はお金がかかるので学校の寮という選択肢もあります。

職業能力開発大学校には寮があるのでそちらで暮せばかなり生活費を削減する事ができます。

入学試験については大きく分けて推薦入試と一般試験の2種類あります。推薦入試は特別推薦入試や自己推薦入試等、専願か併願可能かによっても内容が異なります。

そのため各職業能力開発大学校のホームページを参照して下さい。

試験内容も入試方法によって異なりますが面接だけの場合と面接と数学Ⅰの小テストだけと非常に簡単です。

センター試験を受験するのと比べると非常に簡単であり毎年受験者も少ないのでよほどの事がない限り落ちることはありません。

私が一般入試で受けた時もほぼ全員受かったと後ほど教官から聞きました。

26歳で大学を卒業しメーカーへ

私は職業能力開発大学校に入学後、専門課程、応用課程を経て26歳で大学を卒業しました。大学3年生の時の就職活動時には不安がありました。

26歳の自分を雇ってくれる会社が果たしてあるのか。その不安は就職活動が始まった途端すぐになくなりました。

職業能力開発大学校で学んだことは実用的な内容が多いため他の工学部卒が知らないような事を知っていて更に自分で経験している事が大きな強みとなりました。

学校で旋盤、フライス盤、マシニングセンター全部自分で操作をして部品を作り、自分でPLCでラダーを組む大学生はいなかったからです。

企業で働く技術者にとっては当たり前の事でも普通の大学生では知らない事が多いです。

その中で私は学校での経験を語る事により企業に多いに興味を持ってもらえました。私が比較的就職のしやすい中小企業を希望していた事もあり簡単に機械設計職の内定を得ることができました。

私立大学の工学部卒では26歳の自分はなかなか内定を取ることができなかったと今でも考えています。私の周りの職業能力開発大学の同級生達も比較的簡単に内定を取ることができていました。

中小企業はもちろんですがダイキンや日産のような大企業の内定をもらっている人もいました。機械設計士になりたかったら大学の工学部だけでなく職業能力開発大学校も視野に入れてみてはどうでしょうか。

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