機械設計の仕事が向いていない人は一定数存在します。
私は現役の機械設計者としてメーカーで働いていますがメーカーの中には「機械設計向いていない」方が何人かいます。
以下の項目に当てはまる人は機械設計者に向いていないかもしれません。
- ものづくりを楽しいと思えない
- 向上心がない
- 長時間残業や休日出勤ができない
- 短納期の要望に耐えうる精神力がない
- 机の前でのパソコン作業がしんどい
- 図面アレルギーの人
- 自分のこだわりが強すぎる
- 人とコミュニケーションを取るのが苦手
この人達は仕事をしていて楽しくなさそうですし、楽しめてないので成果もでずに上司からの評価も低いです。
機械設計の仕事に自分が向いていないと思ったら早めに職種を変えることをオススメします。
社内で別の部署に異動もしくは別の会社に転職する方法があります。
今回の記事では機械設計に向いていない人の特徴を詳しく解説していきます。
機械設計が向いていない人の特徴
ものづくりを楽しいと思えない
機械設計の一番の面白味は自分が考えたことが実際にできあがることです。
自分の考えをCADを使い図面に落とし込み、加工図を作り、場合によっては自分で機械を組むこともあります。
この一連の流れの中で「やりがい」や「楽しさ」を機械設計者はみいだします。
しかしこの作業をただの仕事だと感じ、「つまらない」、「興味がない」と思ってしまう人は機械設計者には向いていません。
向上心がない
向上心がない人は機械設計の仕事を長年続けていくには向いていません。
ものづくりの現場での技術の進歩はとても早いです。
新しい技術要素やツールがどんどん登場し機械設計者はそのたびに学びツールを使いこなさなければなりません。
新たに勉強しようという意欲がない人はこれらのツールを使いこなすことができずに周りから遅れをとってしまいます。
そのため向上心を持ち日々勉強できる人でないと機械設計の仕事は向いていません。
長時間残業や休日出勤ができない
機械設計に長時間残業や休日出勤はつきものです。
機械設計の仕事は必ず納期が決まっており絶対に間に合わせないといけません。
設計作業が遅れると部品の製作や機械の組立、調整、これら全ての工程に遅れが生じてしまうからです。
機械設計者で残業や休日出勤ができない人にとっては会社で機械設計をするには向いていないです。
もし時間にとらわれずに機械設計の仕事をしたいという方はフリーランスの機械設計者を目指してみましょう。
[box06 title=”あわせて読みたい”]機械設計者が会社から独立してフリーランスになる方法|現役フリーランスをまとめてみた| [/box06]短納期の要望に耐えうる精神力がない
機械設計では顧客の要望や上流工程の要求変更で機械の仕様が二転三転します。
それにより昨日まで検討、設計していたものが全て無駄になることがあります。
その時に「昨日までせっかくやっていたのに…」と気落ちしてしまう人だと機械設計者は務まりません。
机の前でのパソコン作業がしんどい
一日中机の前に座りパソコン作業ができない人は機械設計に向きません。
- 図面を見ているとついウトウトしてしまう
- 椅子にずっと座ってるとうずうずして動きたくなる
こういった人は機械設計ではなく現場仕事の方が向いています。
もしくはやるべき仕事の種類がたくさんある中小企業の機械設計者になるべきです。
図面アレルギーの人
3次元の図面や2次元の図面を見るのが苦手な人も機械設計者には向いていません。
経験を積めば機械への知識が増えるので簡単な図面は読めるようになります。
しかし複雑な図面や部品点数が多い組立図面を見た時に理解ができないようであれば機械設計者に向いていません。
- 参考書を読んで勉強
- 自分で図面を描いてみる
- 他者が描いた図面を見る
これを数年繰り返しても図面に対して苦手意識がある人は機械設計に向いていないかもしれません。
もし勉強法が分からい人や参考書を探している人はこちらを参考にして下さい。
[box06 title=”あわせて読みたい”] [/box06]自分のこだわりが強すぎる
意外と思われるかもしれませんが自分のこだわりが強すぎる人も機械設計者には向いていません。
なぜなら機械設計の仕事は顧客の満足度が最優先されるため、設計者のこだわりが強すぎると顧客から承認されないことがあるからです。
「自分の思いは〇〇だけど顧客が要望するなら△にしよ」と柔軟に対応できる人の方が機械設計には向いています。
自分のこだわりが強すぎて上司や顧客とケンカし、会社を辞めてしまう人を私は見てきました。
人とコミュニケーションを取るのが苦手
機械設計者は機械の設計だけではなく様々な業務をする必要があります。
- 顧客との打ち合わせ
- 電気・ソフト設計者との検討
- 組立現場とのすり合わせ
- 加工業者さんとの打ち合わせ
このように社内外、様々な人と仕事の中で関わることになります。
さらにその中でもリーダー的役割を機械設計者が担う場合があるのでコミュニケーションを取るのが苦手な方にとっては機械設計は苦痛に感じることもあるでしょう。
機械設計が向いていない人がやるべき仕事
機械設計が向いていないと思った人が次に就ける可能性が高い職種を紹介します。
機械設計の知識や経験を活かせるお仕事なので年収を下げることなく転職できる可能性が非常に高いです。
電気設計
- 論理的に物事を考えるのが好きな方
- 機械設計時代よりも年収を上げたい方
電気設計は機械に応じた電気回路の設計、配電盤や制御盤の設計、シーケンサ(PLC)やタッチパネルのソフト設計が主な仕事になります。
回路図の設計はCADを使いPLCやタッチパネルの設計は専用のソフトを使います。
仕様通りに機械を動かすにはどうすればいいのかを考えながらソフトを作り込んでいきます。
1発で上手くいくことは少なく試行錯誤をしながらソフトを修正していく作業は大変ですがやりがいのある仕事でもあります。
電気設計では論理立てて回路を設計していく必要があるため性格的にキッチリしてる人がこの仕事に向いています。
また上手くいかない時でも諦めず1つ1つソフトを修正できる根気強さがある人も電気設計に向いています。
機械設計の経験があればシリンダやモーターの動きを理解できているので回路設計やソフト設計をやる際もスムーズに業務に入り込むことができます。
働き方は仕事のサイクルは機械設計に非常に似ています。
IoTやDXが日本のものづくり業界のトレンドになっているので機械設計よりも年収が上がる可能性もあります。
生産技術
- 他者とのコミュニケーションが取るのが好きな方
- 夜勤や休日出勤をして年収を上げたい方
生産技術の仕事は工場で製品を効率よく作る工程を考えることです。
高品質な製品を安く、早く作るために現場の課題抽出や改善、新規生産ラインの立ち上げが主な仕事内容です。
生産技術の面白さは幅広い業務に取り組める事と沢山の人と一緒に仕事ができることです。
仕事内容が多岐に渡り、一日中机に座ってる事がないくらいなのであっという間に時間が過ぎ去ります。
社内の他部署との関りはもちろん社外の設備メーカーやソフトメーカーとのやり取りも必ずあるので会社以外の人間関係も広げることができます。
他者とのコミュニケーションが取るのが好きな人や得意な人は生産技術の仕事がピッタリです。
機械設計のように机に一日中座りっぱなしということもないので体を動かす人が好きな人もこの仕事に向いています。
機械設計で学んだ機械の知識を生産技術でも生かすことができます。
生産技術の中で仕事の効率を上げる治具の開発は大事な仕事の1つです。
機械設計者時代に培ったCADの操作や製図の能力はまさに治具設計に役に立ちます。
生産技術者は土日休みのことが多いですが機械の導入時は工場が停止している長期連休のこともあります。
土日や休日に出勤した時には平日で振替休みを取ることができるので安心して下さい。
給料は機械設計者と同等のことが多いですが休日出勤や夜勤がある場合は機械設計者よりも高くなるケースもあります。
機械組立
- 現場で体を動かすのが好きな方
- 年収よりも残業や休日出勤が少ない方がいい方
機械組立は設計図通りに機械を組み立てるのが仕事です。
測定器具や工具を使いながら図面で決められた寸法通りに機械を組立てます。
部品は図面通りにできていないこともあるので組立者が細かい調整をする必要があります。
自分が組み上げた機械が動いている瞬間を見ると「頑張ってよかった」とやりがいを感じる事がてまきます。
主に現場での立ち仕事なので体を動かすのが好きな人に向いています。
械組立は機械設計の知識が最も活かせる仕事です。
- 図面を読み取る力
- 工具の知識
- 材料力学
こういった経験や知識を組立の現場で活かすことができます。
機械設計に比べて残業や休日出勤が少なくワークライフバランスがとりやすい仕事です。
給料平均は機械設計に比べると若干低めになっています。
機械設計の経験が生かせるその他の職種
他にも以下のような仕事で機械設計に培った知識や技術を生かすことができます。
- 機械保全
- サービスエンジニア
- 技術営業(セールスエンジニア)
- 生産管理
- 品質管理
どの仕事も図面や技術に関わるから転職でも有利に働きそうだね!
機械設計が向いてないと思ったらすぐに行動する
自分が機械設計者に向いてないと思ったらすぐに行動することが大切です。
機械設計から別の職種に変わるためには
- 社内で部署を移動する
- 転職する
この2つの方法があります。
社内での部署移動は転職に比べるとハードルも低くリスクも少ないです。
部署移動するためにはまずは上司に相談してみましょう。
もし上司が取りあってくれないようであれば人事部に相談し部署移動をお願いします。
自分がやりたい職種が社内になかったり部署移動ができないのであれば転職するしか方法はありません。
職種を変える転職は年齢が上がれば上がるほど難しくなります。
そのため1日でも早く転職活動をスタートさせる必要があります。
機械設計者から別の職種や異業種に転職する場合には転職エージェントの利用がオススメです。
転職エージェントでは企業に転職者の「人柄」や「強み」をアピールしてもらえる事ができるため難しいと言われる別職種への転職成功率が大きく上がります。
まだ転職エージェントを利用していない人はぜひ使ってみて下さい。
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機械設計が向いていない人のまとめ
今回は機械設計が向いていない人の特徴を6つ紹介しました。
- 向上心がない
- 長時間残業や休日出勤ができない
- 短納期の要望に耐えうる精神力がない
- 机の前でのパソコン作業がしんどい
- 図面アレルギーの人
- 自分のこだわりが強すぎる
機械設計の仕事は覚えることも多く、かつ体力勝負の仕事でもあります。
機械設計者が全員、この仕事に適性があるわではありません。
自分で「機械設計が向いていない」と思ったらすぐに次の行動に移った方が人生のチャンスは広がるでしょう。
仕事を変えたいと思った人は社内異動か転職をして自分にあった職種を探してみましょう。
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