機械設計者になるためにはCADの操作スキルは必須です。
未経験から会社に就職し会社でCADスキルを覚えるという方法もありますが、完全未経験な人を雇って教育してくれる企業は少ないです。
機械メーカーや機械設計事務所にとってはCADスキルを持った人材を欲します。
CADスキルを習得できる場所は様々ありますがその1つがCADスクールです。
全国各地にあるCADスクールで専門の講師と一緒に学ぶやり方はスキルを身につける上で最短と言ってもいいです。
CADスクールを選ぶ際に見るべきポイントで大切な事は以下の3つです。
- 製図知識について学ぶ事ができるか
- 質問ができるか
- 自分の描いた図面に対してフィードバックがもらえる環境があるか
費用についてはスクールやコースによって様々です。
例えば大手のCADスクール「Winスクール」のあるコースでは16回コースで受講料172,000円、入学金:18,000円、教材費:6,000円の合計196,000円です。
どんな種類のCADを学ぶかも大切な事です。
機械設計の現場で最も使用されている2次元CADは「AutoCAD」です。次に使用頻度が高いのが「Inventor」と言われています。
働きたい企業や業種で使われているCADが分かればそのCADを勉強できるスクールを探します。
使われているCADが分からない場合は多くの企業で採用されている「AutoCAD」を勉強しましょう。
以上の事についてこれから詳しく解説します。
機械設計者になるためのCADスクールの選ぶべきポイント
様々あるCADスクールの中から選ぶべきポイントは人それぞれです。学ぶ人の
- 勉強できる時間と時間帯(日中か夜か)
- 払う事の出来る費用
- 必要になるCADスキルレベル
これら以外にも人によってCADスクールを選ぶ基準は変わります。ただしCADスキルを身につける事にフォーカスした時にどういった基準でCADスクール選んでいいか分からない人も多いです。
そのため現役の機械設計者である筆者がCADスキルを身につけるためのスクール選定基準を考えてみました。
- 製図知識について学ぶ事ができるか
- 講師に質問ができるかどうか
- 自分の描いた図面に対してフィードバックがもらえる環境があるか
この3つがCADスキルをスクールで身につける為に考慮すべきポイントです。以下で詳しく解説します。
製図知識について学ぶ事ができる
機械設計者の大事な仕事の1つに製図作業があります。
機械設計の仕事については以下の記事を参考にして下さい。
製図作業は2DCADや3DCADで書かれた計画図から部品図に落とし込むバラシ作業を言います。
バラシ作業をするためにはCADで図面を描くことができる前に図面が読めなければいけません。
これは本を書くためには本を読む事ができなければいけないのと一緒です。文字の意味が分かっていなければ本を書くスキルを学ぶ前に文字の意味を勉強しないといけません。
これと同様に図面を読むスキルをまずは身につける必要があります。図面はJISと呼ばれる日本の規格を元に描かれています。この規格について学びます。
また寸法の記入方法や公差の入れ方、表面性状の入れ方、分かりやすい図面の作り方も製図知識としてCADスキルの前に学んでおく必要があります。
製図知識が全くない人はまずは製図知識を学ぶ事ができる環境があるかどうかがスクール選びの大事なチェック項目になります。
講師に質問ができるかどうか
次に大事になってくるのが講師に質問ができる環境にあるかどうかです。
パソコンについて詳しかったり、ドローイングソフトやCADを少しでもやった経験がある方はCADのコマンドを覚えたり、操作方法について学ぶ事はテキストを見ながら独学でもできます。
しかしCADについて全く知識がない人であれば独学では難しいです。
そんな時に気軽に講師に聞くことができる環境かどうかはとても大切です。特に「こんな事をしたいがどうすればいいか分からない」時は本やネットで調べてもでてこない場合があります。
そういった時でも講師に気軽に聞ける環境があればCADスキルや製図スキルの上達は早いです。
自分の描いた図面に対してフィードバックがもらえる環境があるか
製図は正解があるようでない世界です。
部品図は「誰が」、「どこで」、「どのよう」作っても同じ部品ができるような図面でなければいけません。この為にJISと呼ばれるルールがあります。
しかしながら唯一無二の正解がないのも部品図です。正しい部品が作られればそれが正解と呼んでもいいです。
その為自分が描いた図面が正解がどうかは製図やCADを学び始めた人にとっては判断はできません。図面のテキストにもこれが正解と書かれていない場合もあります。
自分の図面が正しいか正しくないの「判断」と直すべき箇所について「アドバイス」をもらえる環境かどうかもCADスクール選びのポイントです。
CADスクールによってはCADの操作方法は教えてもらえるが図面についてはアドバイスがもらえないスクールもあります。
これは講師が製図についての知識がない場合があるからです。こういったスクールは要注意です。
機械設計者を目指すならば製図の知識を持ち、自分の描いた図面に対してフィードバックがもらえる講師、スクール選びをしましょう。
費用
スクールを選ぶ上で大切になるのが費用です。
安いに越した事はありませんが安いために質や量が落ちてCADスキルが習得できなかった場合は意味がありません。
費用についての一例を示します。例は大手のCADスクール「Winスクール」のAutoCAD LTを習得するコースです。
受講料
172,000円(税抜)入学金:18,000円(税抜) 教材費:6,000円(税抜)
学習時間
150分×16回(40時間)受講期限:4ヶ月
講座内容
製図基礎
初期設定
基本操作
作図コマンド
編集コマンド
画層・線属性
文字・寸法
ペーパー空間
総合演習:機械図面作成
150分×16回で約20万円程の費用です。このコースは製図の知識が少しはある程度の方を対象としているコースのようです。
もし全くの未経験であれば製図や機械設計の知識の導入としてまずは次に紹介するコースを受けてからの方が良いです。
受講料
42,000円(税抜)入学金:18,000円(税抜) 教材費:1,000円(税抜)
学習時間
150分×4回(10時間)受講期限:1ヶ月
講座内容
JISに基づく製図の知識
機械製図の方法
寸法記入
概念設計
基本設計
詳細設計
機械の仕組み
動力部・作用部・制御部・構造部
素材
部品の構成等
こちらは150分×4回で約6万円のコースです。製図の知識がない人や機械設計について勉強したい人向けのコースです。
決して安くはありませんがスキルを0から習得となるとこれくらいの費用が掛かると考えていいでしょう。
こちらのサイトでも費用について比較する事ができますのでご興味ある方はご覧ください。
設計者が使用するCAD選び
CADスクールでスキルを習得する時に考えておくべきはどのCADを学ぶかという事です。
2次元CADは世の中に様々な種類のものがあります。それぞれのCADで操作方法について違いがあります。
その為可能な限り就職を考えている企業のCADを習得するべきです。
機械設計の現場で最も使用されている2次元CADは「AutoCAD」です。次に使用頻度が高いのが「Inventor」と言われています。
もし使われているCADが分からない場合は多くの企業で採用されている「AutoCAD」を勉強しましょう。
AutoCADは機械設計の現場では最もスタンダードなCADです。
AutoCADには「AutoCAD」と「AutoCAD LT」があります。
AutoCAD LTはAutoCADの廉価版です。使用できる機能がAutoCADに比べると少ないです。
AutoCADは2DCADとして有名ですが実は3D図面も作成できます。しかしAutoCAD LTにはこの3DCAD機能がないのも特徴です。
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