この記事では機械設計者向けに機械据付時の持ち物リストを作成しました。
- 初めて機械の据付にいく機械設計者
- 運送会社や重量屋さんに搬入を任せているけどなんとなく不安な方
こういった方達に向けて現役の機械設計者が今までの経験を元にこの記事を作成しましたのでぜひ活用して下さい。
機械設計者が出張時に持っていくものリストを出張内容別で記事にしていますのでこちらも参考にして下さい。
[box06 title=”あわせて読みたい”] [/box06]PC関係
ノートパソコンorタブレット
ノートパソコンもしくはタブレットは必ず持っていきましょう。
なぜなら機械据付時には現場の図面や搬入経路を確認する必要が必ずでてくるからです。
紙の図面を持っていく場合にもその場で寸法を確認したり変更する場合にもCADがあった方が便利なので、CADを使用できるノートパソコンかタブレットを持参しましょう。
マウス
ノートパソコンやタブレットにタッチパッドがついている場合にもマウスを持っておいた方が便利な場合があります。
それはCADで図面を確認する時です。
タッチパッドでできないこともないですが時間が掛かったり、慣れてないと操作方法が分からなくてモタモタしてしまいます。
機械据付時は自社だけでなく重量屋さんや運送会社と一緒に作業をするのでその方達を待たせるわけにはいきません。
いつも使い慣れているマウスを持っていきましょう。
現場でも使えるCAD用のトラックボールマウスはこちらの記事でも紹介しています。
[box06 title=”あわせて読みたい”]CAD使用時のトラックボールマウス紹介[/box06]充電器
ノートパソコンやタブレットの充電器も持っていきましょう。
新品の物であれば1日充電が持ちますが使ってから長いものはすぐに充電が切れることもあるので念のために持っていきましょう。
Wi-Fi
社内のネットワークに入る必要があったりネットで調べ物をしたい場合にはネット環境にアクセスできる機器が必要になります。
会社に専用のWi-Fiがあればそちらを持参しましょう。
ない場合にはスマホのテザリング機能を使うという手もあります。
カメラ
現場の写真や機械の状態を保存しておくためにカメラを持っていきましょう。
個人用のスマホで写真を撮っても可能な会社であれば必要ありませんが今の時代はセキュリティ関係が厳しい会社が多いです。
そのため現場にスマホの持ち込みさえ禁止されている現場もあるため会社用のカメラを持っていきましょう。
写真を撮る際は必ずお客様の許可を取るのも忘れずに。
CAD
CADは絶対に持っていきましょう。
機械据付時は平面図や立面図を見ながら機械を所定の位置に設置し高さを調整します。
紙の図面でも設置場所は分かりますが急な変更や事前打ち合わせとは別の場所に設置する場合もあります。
そういった緊急事態に備えてCADが入ったノートパソコンもしくはタブレットを持ってきておくと安心感があります。
書類
図面
図面は以下の3種類のものを紙とデータ(パソコンに入れて)で用意しておきましょう。
- 搬入経路図
- レイアウト図(平面)
- レイアウト図(立面)
紙のデータの方が素早く見れるという利点があります。
しかし詳細な寸法確認や急な変更で設置個所が変更になった場合はCADを使ってデータをいじらないといけないため、念のためにPCのローカルに図面データを入れておきましょう。
身分証明書
昨今はセキュリティ上の理由から工場の受付で身分証明書を提示する場合が多いです。
免許証や社員証を必ず携帯しましょう。
お客様の連絡先
担当者の名前と連絡先(内線番号)は把握しておきましょう。
機械営業が同行する場合は営業マンが把握していますが設計者だけで行く場合は事前に営業マンから担当者の方の連絡先を聞いておきます。
工具
爪ジャッキ
爪ジャッキは機械を一時的に持ち上げるために使います。
高さ調整用の敷板を入れるために一瞬持ち上げたりするのに大変便利です。
可能であれば2個持っていくと左右両方を同時に持ち上げることができるので作業効率が上がります。
注意点としては爪ジャッキのストロークは短いことが多いので高さを調整できる板木を用意しておくと便利です。
爪ジャッキ選定の際は次の2つに注意しましょう。
- 機械の重量
- ストローク(動き代)
板木
板木は機械を移動させたり、持ち上げたりする時に機械を移動させる器具との間に挟みます。
移動させる器具はハンドリフトや爪ジャッキ、バールがあります。
これらを直接機械に当ててしまうと接触面に傷やへこみが入るおそれがあるので板木をいれて機械を保護します。
機械の搬入据付時には役に立つので様々な大きさの種類を用意しておきましょう。
注意点として食品工場や製薬工場では木の持ち込みが禁止されている現場があるのでそうした場合には木の面が露出しないように布テープ等を巻いて木の面が表にでないようにしましょう。
水準器
水準器は機械が前後左右方向に水平がとれているかを確認する道具です。
水平がとれていないと機械の機能が十分に発揮されないことがあるので据付時にはきっちり水平を出します。
敷板
敷板は機械の高さ調整や水平を出すために使用します。
機械にもよりますが0.5mm~5mmの範囲で0.5mm刻みで持っていくと便利です。
材質は鉄、ステンレスがいいです。
アルミや樹脂だと重さに耐えきれずへしゃげてしまい、高さや水平を出すのが難しくなるからです。
レーザー測定器orコンベックス
機械の設置個所を決めるために基準となる壁や柱からの距離をレーザー測定器かコンベックスでとります。
レーザー測定器の方が便利で使いやすいですが値段も張ります。
最低でもコンベックスは忘れないようにしましょう。
水糸
水糸は機械の設置個所に張り付けて設置線の代わりにします。
テープ等で代用してもいいですがテープを真っすぐに張り付けるのは難しいです。
その点水糸であれば少し引っ張るだけで真っすぐなラインを作ることができて便利です。
下げ振り
下げ振りは機械や柱が垂直に立っているかを確認するための道具です。
搬送系の機械だと機械と機械を垂直に設置しないとワークの受け渡しができないものがあります。
そのため機械設置段階で機械と機械が垂直関係を確認しながら設置します。
その際に下げ振りは大変便利な道具です。
工具箱
六角レンチやスパナ、プラスドライバー等の基本的な工具が入っている工具箱は必ず持っていきましょう。
搬入時に機械をばらさないといけない場合もあり、そういった時に工具が必要になるからです。
電動ドライバー
電動ドライバーは機械を梱包している木枠をばらす際に大変便利です。
木枠は木ネジで止められていることが多く、さらに数十本以上で固定されているので通常のドライバーで外していくと時間が掛かります。
作業スピードを上げるためにも電動ドライバー(充電式)を準備しておきます。
スライディングペーパ
スライディングペーパーは機械を数ミリ程度の微妙に動かしたい時に大変便利です。
ハンドリフトで設置箇所まで機械を運びそこから数mmだけ移動させたり、回転させたい時はハンドリフトでは難しいです。
そんな時に機械の足部分にスライディングペーパーを何枚か引いて機械を押せば数トンの機械でも簡単に動きます。
文房具
名刺
社外に出る時はどんな時であれ必ず名刺を持参します。
私は社内用と社外用の名刺入れを持っていて出張用のカバンには必ず社外用の名刺入れを携帯しています。
名刺入れの選定ポイントは
- 現場に出て汚れてもいいようなもの
- 黒系の地味な物(お客様より目立つとよくない)
ノート
お客様に言われたことや情報をメモするためのノートは必須です。
今はノート代わりにタブレットを使っている人もいますがそちらでも大丈夫です。
ノートの選定ポイントは
- 大きさはA4サイズ(小さいと図が入らなかったりするので)
- 方眼付き(文字や図が綺麗に書ける)
ボールペン
筆記用具として鉛筆を使う方もいますが客先では必ずボールペンを使います。
お客様の工場で記入する書類は改ざん防止のためボールペン必須な場合があるからです。
また医薬品工場や食品工場であれば鉛筆の欠けを考慮して鉛筆の持ち込みを禁止しているお客様もいます。