長時間マウスを使用する機械設計者は通常のマウスを使うよりトラックボールマウスを使用した方が作業効率が上がります。
またトラックボールマウスを使用することで腱鞘炎対策にもなり快適に仕事を進めることができる道具です。
今回は現役の機械設計者が選ぶCADで使うトラックボールマウスを紹介します。
価格別で3種類に分類しています。
- ハイエンドモデル 7,000円以上
- ミドルエンドモデル 4,000円~7,000円
- ローエンドモデル 4,000円以下
ご自身にあったトラックボールマウス選びの参考にして下さい。
オススメトラックボールマウス
長年腱鞘炎で悩まされた私がトラックボールマウスを使用して楽になった経験はこちらに詳しく書いています。
CAD用トラックボールマウスの選び方
価格で選ぶ
トラックボールマウスを価格で分類すると大きく三種類に分けることができます。
ローエンドモデルは3000円から4000円で買えるモデルです。
トラックボールマウスってどんな感じなんだろうと感触をたしかめたい方にオススメです。
ただしミドルエンドモデル、ハイエンドモデルに比べると手へのフィット感が弱く、トラックボールマウスの魅力である手、腕、肩、首への疲労軽減性が弱いです。
お金に余裕のある方であればミドルエンドモデルを初めに使ってトラックボールマウスの魅力を経験して欲しいです。
ハイエンドモデルはどのマウスも手へのフィット感が強く、安定感もあります。
そのためマウス操作によって体に強い痛みや疲労を感じている方はハイエンドモデルを使って頂くことをオススメします。
多機能ボタンの数はモデルによって全く異なりますのでハイエンドモデルでもボタン数が少ないこともあります。
購入時は注意して下さい。
機能で選ぶ
トラックボールの操作位置
トラックボールマウス選びで最も重要なことが操作性です。
そして操作性を決めるのは手へのフィット感です。
自分の手に馴染むマウスを選ぶことでCAD操作時もストレスなく製図に集中することができます。
トラックボールマウスはトラックボールの位置で手の操作感が変ってきます。
親指タイプ・人差し指・中指タイプがありスタンダードなものは親指タイプです。
しかしこれは好みによりますので自分の好みにあった操作方式を選択しましょう。
親指タイプはボタンやホイールの配置が通常のマウスと似ているため初めてトラックボールマウスを使用する人にとっても馴染みやすいものです。
しかしボールの操作を親指のみでするので人によっては親指の負担がきついと感じる人もいます。
人差し指タイプは親指タイプに比べるとカーソルの移動が楽です。
これは人差し指が人間工学上、自然な位置にあるので負担なく指を動かすことができるからです。
またこのタイプは親指・薬指・小指の位置に多くのボタンがあるのでこのボタンをショートカットに割り当てることでキーボード操作は省略することができます。
中指タイプは中指や人差し指・中指の両方を使い操作できるタイプです。
こちらも人差し指タイプと同様に指が自然な位置にあるためカーソルを動かしても指への負担を最小限に押させることができます。
また中指タイプは左右対称にできているので左手で使用したい方でも違和感なく使うことができます。
多機能ボタンの数
トラックボールマウスには通常のマウスの左クリック、右クリック、ホイールボタン以外にもボタンが設置されています。
ここにキーボードのボタンを割り当てたり、「戻る」、「進む」ボタンを割り当てるとパソコン操作の効率が大幅にアップします。
CADを操作する時はマウスにボタンを割り当てておけばキーボード操作を省略できのでいちいち手元を見ずに作図作業に集中することができます。
多機能ボタンは多い機種で8個、少ない機種でも2個程度はついています。
ボタンの割り当てはマウスメーカーのホームページからソフトをダウンロードして割り当てます。
接続方式
トラックボールマウスには接続方式が2種類あります。
有線で接続するタイプと無線で接続するタイプです。
オススメは無線方式です。
理由としては配線が不要になるのでデスク周りがスッキリするからです。
また線がないことで移動中の新幹線やホテルのベッド上での操作しやすいことも大きなメリットの1つです。
無線方式には「USBレシーバー式」と「Bluetooth接続式」があります。
USBレシーバー式はマウスに付属している専用のレシーバーをパソコンのUSBポートに差すことで無線接続ができます。
Bluetooth接続式の場合はレシーバーが不要になります。
ただしパソコン側にBluetoothの受信機能もしくはBluetooth受信レシーバーの設置が必要になります。
dpi
dpiとはマウスをどれだけ動かすと画面上のマウスポインターがどれだけ動くかを表す数値です。
数値が大きいとそれだけ大きく動くため、少ない動きで素早い操作ができます。
ただし高ければいいという訳でなくちょっとボールを動かしただけで思った以上に動いてしまって微調整が難しい場合もあります。
CADをトラックボールで操作する場合は400dpiが適しています。
トラックボールマウスによってはマウスのボタンや専用のカスタマイズソフトでdpiを切り替えることができものもあります。
メーカーで選ぶ
ロジクール
ロジクールは1981年にスイスで設立したパソコン周辺機器メーカーです。
ロジクールのトラックボールマウスは非常時に評判が高く日本人の手にフィットすることで評判です。
ミドルエンドからハイエンドまで取り揃えています。
トラックボールマウスを初めての方はロジクールの商品がオススメです。
エレコム
エレコムは大阪に本社を置く日本のパソコン周辺機器メーカーです。
エレコムのトラックボールマウスはボールの位置が人差し指・中指タイプが多いです。
そのため多機能ボタンの数を重視する方にオススメのメーカーです。
価格帯はローエンドからミドルエンドの商品が多く4,000円程度の予算で人差し指・中指型のトラックボールマウスを買いたい方はエレコムで探してみましょう。
サンワサプライ
サンワサプライは岡山県に本社を置くコンピュータ・パソコンサプライ製品メーカーです。
サンワサプライのトラックボールマウスは単機能でシンプルなデザインです。
価格も3000程度で購入できるため安くトラックボールマウスを入手したい方にオススメのメーカーです。
またサンワサプライはサンワダイレクトという直営のネットショップを持っておりアマゾンや楽天よりも安く購入できる商品も多数あります。
もしサンワサプライのトラックボールマウスを購入する場合は直営のネットショップも覗いてみましょう。
ケンジントン
ケンジントンはカリフォルニアに本社を置くパソコン周辺機器メーカーです。
ケンジントンのトラックボールマウスの特徴は中指操作型のフラットタイプが多いことです。
一度使用するとケンジントン意外考えられないヘビーユーザーがつくくらい根強い人気があります。
腕、手首への負担を大幅に抑えたい方にとってオススメのメーカーです。
価格別のオススメトラックボールマウス
ハイエンドモデル 7,000円以上
ロジクール MX ERGO
- 腱鞘炎や肩こり、首こりに大変困っている方
- 手へのフィット感を求める方
- トラックボールマウスの最上位モデルを体験したい方
MX ERGOは親指操作型のトラックボールマウスです。
ハイエンドモデルの中でも最上位モデルで価格は1万円を超えます。
値段は高いですが口コミを見てもらえば分かる通り評価が高く、腕に負担が少ないのが分かります。
マウスを長時間使用する方や腱鞘炎、肩こり、首こりで長年悩まされている方にオススメです。
- とにかくつかれない。20度の角度に調整できるのがすばらしい。ボールが上にきて手を机につけていられるので力まず軽い操作ができるのでつかれない。長時間作業しても肩こりがおきないのが本当にたすかります
- 適度な重量感で安定している。M570に比べると適度に重量がましていて安定感が抜群です。持っていてもずれることはほとんどなく不安定さからくるストレスが一切ないのもポイント高めです。
- 最近キーボードとカーソル操作で指が痛くなってきて、ひょっとしてトラックボールも替えるといいのではと思い藁にも縋る思いで購入。結果は非常に良かったです。
ケンジントン 72327JP
- 左利き、左手で使用したい方
- 重度な肩こりに悩まされている方
- 人とは違うものを使用してみたい方
72327JPは人差し指か薬指、または手のひら全体でトラックボールを操作するタイプのマウスです。
ケンジントン製のハイエンドモデルでヘビーユーザも多く、最初は慣れるまで大変ですが一度使うと他の物は使えないと思えるほどのマウスです。
左右対称形なので左利きの方や左手で操作をし右手でテンキーを押したい方にオススメです。
- スクロールは「ボールを横に回す」という動作のためとてもやりやすく、しかもかすかに聞こえるカチャカチャっという音が非常に気持ち良いです。
- もしも私と同じように手に障害があったり、一時的にケガをして、利き手でマウスが使えないんだ。なんて方がいらっしゃったら、一考されてみてはいかがでしょうか。お金で買える便利は多少高くても試してみるべきだと思います。
- マウスばかり使って30年。ふと、気が向いたのでボールマウスにチャレンジしてみました。最初は、お手頃な価格なのに評判の良い「LOGICOOL M570t」を使ってみましたが、3週間使っても慣れず。(泣)マウスに戻ろうかと迷いましたが、思い切ってケンジントンを購入。さすがケンジントンですね。親指クリックがまだ少しぎこちないですが、私にはロジクールよりもはるかに使いやすかったです。
エレコム M-XPT1MRXBK
- 多機能ボタンの数を重視される方
- 有線も無線もどちらの接続方法も使用したい方
- エレコム製のマウスのファンの方
M-XPT1MRXBKは親指操作型のトラックボールマウスです。
エレコム製の最上位機種でありハイエンドモデルとしても総合力の高いマウスになってます。
操作性、耐久性、疲労感の少なさ、多機能ボタンの数、全てにおいて欠点がない機種になっているのでトラックボールマウスにお金を掛けてもいい方にオススメです。
- 今回のマウスに期待しましたのは、サイドボタンの多さ。通常の左右クリックボタンを含めて8つ。素晴らしいです。カスタマイズ好きとしてはボタンの割当て画面を見るだけでウキウキしました。
- トラックボールの滑らせ、ボタンの数、見た目、握りやすさは全て良いと思います。ボタンが沢山あるため、かなり便利になります。無線や優先、Bluetoothの3択なので接続が楽でした
- 最初戸惑いましたが、30分もすれば慣れて使いこなせるようになります。
人にもよるでしょうが握るというより、手を置く感じです。
ミドルエンドモデル 4,000円~7,000円
エレコム M-DPT1MRXBK
- 中指でトラックボールを操作したい方
- 親指操作型のトラックボールマウスが苦手な方
M-DPT1MRXBKは中指型のトラックボールマウスです。
中指型ではありますが玉が大きいので人差し指と中指同時に使って頂いても大丈夫です。
クリック感やホイール感が好評でストレスなく使えるマウスとして重宝されています。
中指型を使ってみたいという方にオススメの機種です。
- “良かった点は
・人差し指と中指の2本操作でも窮屈でないボールサイズ
・ボタン数
・専用アプリケーションで全ボタンに任意の機能を割り当て可能 - クリックやホイールの感触も素晴らしく、サイドホイールが軽いタッチで押せるのもポイント高いです。正直エレコムのトラックボールがここまで進化すると思っていませんでした。
ロジクール M575
- 色を選びたい方
- トラックボールのクリーニング、交換を頻繁にしたい方
- トラックボールマウス初心者の方
M575は親指操作型のトラックボールマウスです。
評判が高いロジクール製のため安心して使う事ができます。
色はオフホワイト、グラファイト、ブラックの3種類から選ぶことができるので他の方と同じマウスを使用したくない方にオススメです。
- トラックボールマウスの消耗品であるボールも簡単に取り外すことができるので交換、クリーニングを気軽にできるのも魅力の1つです。
- クリック領域が広いため、大きな手でも小さな手でも使いやすいです。手に馴染む設計をしているため、長くマウスを握る仕事をしていますがまったく苦になりませんでした。
- トラックボールは非常に素晴らしいとしか言えません。安価なトラックボールを使ってきた人にはわかると思いますが、ボールを回す際のひっかかりも無く、ポインタの飛びもありません。
- 制御ソフトもあるため、各ボタン(スクロールボタン中央押し込み、人差し指の端の上下)を割り当てる事ができるので、自分なりに使いやすい設定にすることができます。
サンワダイレクト 400-MATB155
- PCとタブレットのように2台の機器を同時に使いたい方
- チルトホイール(左右へのスクロール)機能マウスを探している方
- 「進むボタン」、「戻るボダン」機能付きのマウスを探している方
400-MATB155は親指操作型のトラックボールマウスです。
ミドルクラスの値段でありながらハイエンドモデルに搭載されている機能もついています。
特に2WAYの接続方法ができるため、2台の機器の接続を切り替えて使用できのが魅力です。
左右方向へのスクロールが行えるチルトホイールが搭載されているのでエクセルを横長に使用している方はこのマウスを使用すれば大幅な時間短縮になります。
- PCとタブレットで機器切り替えできるトラックボールマウスを探していました。機器との通信は何の問題もありません。機器切り替えも非常にスムーズです。
- 幅広でなだらかな曲になって手全体を置きやすいためフィット感はある
- デスクトップPCとノートPCを交互に使用していたので、マウスが別々だと場所が取られてしまい効率が悪かったのですが、トラックボールがあるのでマウス自体を動かさなくて済むし、2台別々に接続できるので使いやすいです。
ローエンドモデル 4,000円以下
エレコム M-HT1DRXBK
- 手首への負担を軽くしたい方
- 人差し指と中指でトラックボールを操作したい方
- 大型のマウスが好みの方
M-HT1DRXBKは人差し指操作型のトラックボールマウスです。
人差し指だけでも操作できますが中指も併用して使用することもできます。
マウスが大型で安定感があり、手首もマウスで支えることができる構造になっているので手首の痛みにお困りの方にオススメのマウスです。
- メインボタンのクリック感もよく、ボールの滑りも十分で、基本性能は高い製品だと思います。
- ボールが大きく、複数の指で操作できるため、安定性が高いです。
- サイズはマウスという視点でみると大きいですが手のひらにしっくりときます。大径のボールはやはり扱いやすいですし、回転もせこせこなくていいです。ソフト別に各機能を割り当てられるので作業効率もバッチリです
エレコム M-XT3DRBK
- ロジクール製のマウスが高いと感じる方
- 初めてトラックボールマウスにチャレンジする方
M-XT3DRBKは親指操作型のトラックボールマウスです。
値段がとても安くロジクール製だと5000円以上の値段ですがこちらのマウスは3000円程度で購入できるのが最大の魅力です。
無線タイプと有線タイプがあります。
トラックボールの動きに難ありと口コミもありますが使っているうちにすべりが良くなるとレビューされている方が多いです。
初めてトラックボールマウスを購入するのなら価格、機能、使いやすさのバランスが取れた良いマウスだと思います。
- 操作性やクリック感やホイールの固さは M-DT2DRBKに比べると柔らかくて良いです。
- 使い始めは、トラックボールの回転が抵抗があるというか少し引っかかりますね。ただし、これは使い始めの最初だけだとは思います。デスクトップに使っているものは3年も前のものなので、使い始めに引っかかりがあったかどうかはあまり良く覚えてはいませんが、現状は全く抵抗がなくスルスル回ります。
サンワダイレクト 400-MA072BK
- とにかく安くトラックボールマウスを使いたい方
- コストパフォーマンスを重視される方
- ロジクールやエレコムのマウスが合わなかった方
400-MA072BKは親指操作型のトラックボールマウスです。
3000円台前半で購入できるトラックボールマウスはとても珍しいです。
日本のトラックボールマウスはロジクールやエレコムを使われている方が多いですがそれらで満足できなかった方はこちらのサンワ製のマウスを使ってみると感覚が変わる可能性があります。
値段も安いので気軽に買うことができます。
- ロジクールのものやエレコムの5-6千円台の価格帯モデルのホイールはどうにも残念な感じでしたので、このホイールはクラストップはもちろんなこと、ロジの高いやつよりも私の好みです。
(ロジのは高いのにマウスにあるラッチをフリーにするスイッチすらない仕様にしているのが不満)
これを皮切りに、トラックボール沼にはまってしまわないか心配です。(笑) - 使用し始めてから1年以上も使えていることからコスパはかなり満足です。
- このマウスの特長は「安価」なことと、握った感じが、質感共に良いことです。
エレコム M-DT2DRBK
- トラックボールマウス初心者の方
- 安くトラックボールマウスを買いたい方
- 評判の高さを重視される方
M-DT2DRBKは人差し指操作型のトラックボールマウスです。
アマゾンから購入すれば2000円台で買うことができます。
値段が安いにも関わらず口コミでは評価が高いです。
エレコム製なので安心して使えるトラックボールマウスです。
初めてトラックボールマウスを使ってみようと思っている方にオススメです。
- サイズも大きくなく、パームレストなどがなくてもしっくりくるデザインです。
戻ると進むボタンの位置もちょうどいい感じ。 - がっしりした形状なので手が大きい自分にとってはちょうどフィットします。
マット感のある素材は触れていて高級感がありますし、いつもの作業が楽しく感じます。 - 個人的に一番良いと思ったのはホイールが親指で回す位置にあるので結構操作の頻度が高いページの上下スクロールがやりやすいことですね。
- どうしても気になっていたトラックボール初体験機としてこちらを選びました。