機械設計の本

治具設計のオススメ本紹介 機械設計者、生産技術者が実務で役立つ治具の基本

治具設計のオススメ本紹介 機械設計者、生産技術者が実務で役立つ治具の基本

治具を設計する時に参考になる本ってなかなかないですよね。

私も今回紹介するこちらの本に出合うまで、いつも苦労していました。

治具を設計しようと思っても何から手をつけていいか分からず、ネットで探しても信憑性の低い情報ばかり。。。

私と同じような苦労をしてきた人の助けになるのではないかと思い、この記事を書きました。

もし「機械設計の参考書」「製図に関する本」をお探しの方は以下の記事を見てみて下さい。

治具設計の基本を学びたい人向けの本

機械設計者の私が治具設計をする際に最も活用している本がはじめての治具設計です。

この本は治具の基本の考え方である「位置決め方法」について詳しく解説しています。

位置決めについては学校や会社で勉強する機会がない方が大半だったのではないでしょうか?

私も大学で機械を学んでいましたが位置決めについて教えてもらうことはありませんでした。

そのため「何となく」の感覚で設計することが多かったです。

この本を読んで位置決めの法則を学ぶことにより論理的位置決め方法を決定することができるようになりました。

目次紹介

「はじめての治具設計」の目次は以下の通りです。

第1章 治具を導入する狙い
1.1 治具とは
1.2 治具の効果と基本要素

第2章 位置決め方法
2.1 位置決めの基本
2.2 角形状の端面基準「面当たり方式」の位置決め
2.3 角形状の端面基準「ピン当たり方式」の位置決め
2.4 角形状の端面基準「調整方式」の位置決め
2.5 角形状の穴基準「丸ピン方式とダイヤピン方式」の
位置決め
2.6 角形状の穴基準「長穴方式とダボ方式」の位置決め
2.7 角形状の底面基準の位置決め
2.8 丸形状の位置決め

第3章 固定方法
3.1 固定の基本
3.2 市販の固定具
3.3 丸形状の固定方法
3.4 固定の機構
3.5 真空吸引による固定

第4章 ねじの活用
4.1 ねじの基礎知識
4.2 メートルねじ
4.3 ねじとボルトの種類
4.4 ねじの選び方
4.5 ねじ関連の知識

第5章 運動の案内と測定器
5.1 平面運動の案内部品
5.2 往復直線運動の案内部品
5.3 回転運動の案内部品
5.4 治具に便利な機械要素部品
5.5 測定の基礎
5.6 直接測定の測定器
5.7 間接測定の測定器
5.8 その他の測定器

第6章 作業性と段取り性
6.1 効率の良い作業手順と作業環境
6.2 作業性の良い治具構造とミスを防ぐポカヨケ
6.3 段取り改善

第7章 設計のコツ
7.1 頑丈な設計のコツ
7.2 材料の重さと熱による影響
7.3 はめあい公差のコツ
7.4 標準化を進めるコツ

コラム
治具改善の進め方
費用対効果の試算方法
アイデアはアナログで考える

位置決め方法の考え方を詳しく解説

角形状の位置決め3・2・1の法則

位置決めの基本の考え方としてまず「角形状の位置決め3・2・1の法則」が紹介されています。

まず位置が決まるとは物体を固定するということです。

物の移動は前後、左右、上下の「3つの移動」と各軸の「3つの回転」になります。

治具設計 固定の基本出典:はじめての治具設計(固定の基本 )

 

この移動が全て規制されることにより位置決めが成立します。

逆にどの方向かに移動してしまう、回転してしまう場合には位置決めは成立しないことになります。

3・2・1の法則はまず1面を3点で保持し、2面目を2点で保持し3点目を1点で保持すれば角形状の位置決めは完成されるというわけです。

治具設計 3・2・1の法則出典:はじめての治具設計(3・2・1の法則)

 

位置決めの基本は3・2・1の法則ですが世の中にでている位置決めをみると点よりも面を当てていることが多いです。

特に底面は平面で支えるのが基本です。

これは点で受けるよりも面で受けた方がコストパフォーマンスに優れているからです。

  • 高精度な位置決めを必要としない
  • 安定性を必要とする
  • 大きな力を受ける
  • 対象物の剛性が低くてたわみやすい

こういったケースでは点で受けるより面で受ける位置決めの方がいいです。

ただし上記の逆のケースでは点での支えを検討しましょう。

角形状の位置決めを10通り紹介

角形状品の位置決め方法について10個の方法が紹介されています。

  1. 面当たり方式
  2. ピン当たり方式
  3. 調整方式
  4. 丸ピン方式
  5. ダイヤピン方式
  6. 長穴方式
  7. ダボ方式
  8. 面当たり方式
  9. ピン当たり方式
  10. 平衡方式

①~③が「端面基準」の位置決め、④~⑦が「穴基準」の位置決め、⑧~⑩が「底面基準」の位置決めです。

治具設計 位置決め

それぞれ長所、短所を著書では紹介されています。

例えば「端面基準」のピン当たり方式は面ではなく点であたるので面当たり方式よりも精度のよい位置決めがメリットです。

ピン当たりの短所としては位置決めする当たり部分が毎回同じ個所に接触し摩耗進行が速いことです。

ワークの固定方法

ワークの固定方法を理解するのは治具設計において必須条件です。

著書では固定法について以下の5つに分けて解説しています。

  • 固定の基本
  • 市販の固定具
  • 丸形状の固定方法
  • 固定の機構
  • 真空吸引による固定

このうち固定の基本に書かれていた内容を紹介します。

固定の基本

治具設計におけるワーク固定の基本は次の3原則です。

  • 対象物が作業中にずれないように保持すること
  • 押さえた力で変形しないこと
  • 対象物に傷がつかないこと

固定をおこなう機構には様々なものがありますが次の3つの条件を満たしていることがいい機構とされています。

  • 簡単明快でシンプルな機構
  • ワンタッチで固定と解除ができること
  • 締付け力が維持されること

固定具の代表例であるねじはシンプルな機構で一度締付けできれば締付け力が維持される機構です。

固定具は自分で1から新規設計をする必要はありません。

多くの固定具が市販されています。

ミスミを使えば短納期で入手ができますし、ホームセンターでも取り扱っている品物もあります。

市販品を使用する理由は次の4つのためです。

  • 高品質
  • 安い
  • 納期が速い
  • 実績があり信頼性も高い

わざわざ自分で設計するよりも市販品を使用するメリットが大きいです。

よく使用される固定具は「ノブ」、「ハンドル」、「クランプハンドル」、「クランプレバー」、「カムレバー」があります。

こちらの記事でも固定具については詳しく解説しています。

本購入者の実際の声

Amazonで「はじめての治具設計」を購入した人からは高い評価があり38個の評価平均は星5個中4個でした。

私が運用しているTwitterでも評価が高く、実際に著者のセミナーに行った方も「分かりやすいセミナーだった」との声がありました。

治具設計には欠かせない知識を網羅しています。

一度も治具設計について学んだことがない方はこの本から勉強してみてはいかがでしょうか。

治具設計についてセミナーで学びたい方へ

治具設計について更に学びたい方はセミナーに参加してみましょう。

「治具設計 セミナー」でネットで検索をすると様々なセミナーが出てきます。

今は直接会場に行かなくてもオフラインで受けることができるセミナーも用意されています。

はじめての治具設計の著者である西村 仁さんが講師としてやられているセミナーはこちらになります。

治具設計ベーシックセミナー

治具設計ベーシックセミナー 西村 仁

セミナー概要

本セミナーの治具は、加工や組み立て、検査に用い、位置を決め固定するものが対象です。

多くのマンパワーと時間が必要な機械設計と異なり、治具は短期間でQCDに対応できることが一番の強みです。

また品種が変更になった場合のフレキシビリティーにも優れ、加工時間や作業時間の短縮、精度の向上、品質の均一化を狙います。

本セミナーではこの治具を設計する上で重要な位置決め方法と固定方法の解説にとどまらず、実習キットを用いて作業性や段取り性の大切さを体感していただきます。

これまで設計した経験がない方も安心してご参加ください。

ご興味ある方は参加してみて下さい。