機械設計者が会社から独立してフリーランスになる方法|現役フリーランスをまとめてみた|

一度は会社から独立してフリーランスの機械設計者になることを夢見る人がいるんではないでしょうか?

私も今は会社員ですが将来はフリーランスになることを考えています。

しかしどうやったらフリーランス機械設計者になれるのか分からないので現役のフリーランスの方達の情報をまとめました。

会社から「独立したい」、「フリーランスになりたい」という方は参考にして下さい。

目次

機械設計者がフリーランスとしてできる仕事

機械設計者が会社から独立してフリーランスになろうと思った時に、「機械設計」をやっていこうと思うはずです。

しかし「機械設計」以外にも機械設計者ができる仕事が世の中には山程あります

独立を考えておられる方は「機械設計」だけに目を向けるのではなく他の仕事があると覚えておくと可能性が広がります。

機械設計

機械設計者が独立をする場合は前職の仕事と一緒、もしくは似ている分野を考えておられる方が多いと思います。

機械設計と一口にいっても種類は山程あります。

完成品メーカーだけでもこのようなものがあります。

  • 重機械
  • プラント
  • 自動車
  • 電車
  • 航空機
  • 工作機械
  • 船舶
  • 家電
  • 医療器具

完成品メーカーとは

部品を組み立てて最終的な製品を製造している会社のこと

テレビCMを多く流し一般認知度も非常に高い

例)車メーカーであればトヨタや本田、重機メーカーであればクボタ、家電メーカーであればパナソニック

また完成品メーカー以外ではこのような場所で機械設計者は働いています。

  • 部品、機械要素メーカー
  • 製造設備メーカー
  • 開発用設備メーカー
  • 金型メーカー

自分がやっている仕事以外でも機械設計の仕事はたくさんあることを覚えておきましょう。

今まで金型メーカーで仕事をしていたけれど、独立して製造設備メーカーの仕事を請け負うというやり方もあります。

技術コンサルタント

技術コンサルタントは企業に対して、自分が持っている「知識」「経験」、「ノウハウ」を提供し報酬をもらう仕事です。

立派なオフィスも必要なくパソコン1台(最悪パソコンがなくても)でできる仕事です。

機械系の技術コンサルタントであれば例えばこのようなテーマを扱っている方がおられます。

  • 機械装置設計
  • 機械加工
  • 自動化設備設計

テーマはニーズさえあれば何でもよいので世の中のニーズにマッチした「知識」や「経験」を自分が伝えることができるかが勝負になります。

企業への技術コンサルタント以外でもセミナー講演で収入を得ることもできます。

今の時代であればコロナの影響からオンラインでのセミナーも増えてきているので非常にチャンスがあります。

技術コンサルタントの実態について詳しく知りたい方は以下の本が参考になります。

どんな方が技術コンサルタントになっていて、どんなテーマを扱っているかは次のサイトが分かりやすかったです。

技術継承.com

CAE解析

※執筆中

本の執筆

本の執筆も機械設計者ができる仕事の1つです。

自分が持っている知識を文章にして本を出版することで印税の収入を手にすることができます。

本の出版は自分の名前のブランディングにも繋がり、本を出版することにより機械設計の仕事や技術コンサルタントの仕事を頂ける場合もあります。

「自分で本を出版するのって大変じゃないの?」と思われる方もいると思います。

一昔前は本を出版するためには出版社に自分から売り込むか、オファーをもらえるだけの実績が必要でした。

しかし今は紙の本ではなく電子書籍であれば簡単に本を出版できるサービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング」があります。

このサービスは電子書籍を無料でセルフ出版し、Amazon のサイトで何百万人もの読者に販売することができるものです。

媒体を紙だけに限定せず、電子書籍でも検討すれば本の執筆は容易にできます。

ブログ、サイト運営

ブログ、サイト運営でも収入を得ることができます。

機械設計を今までやってきた人であれば設計に関する知識やノウハウを持っているはずです。

「自分の持っている知識をブログに書くだけでお金になるの?」と思う方もいると思います。

ブログやホームページから収入を得る方法は2つあります。

  • Google AdSense(グーグルアドセンス)
  • アフィリエイト

Googleアドセンスとは

自分で運営しているサイトやブログにGoogleが自動で選んだ広告を載せ、その広告がクリックされるたびに報酬を受け取れる仕組み

アフィリエイトとは

ブログサイトなど自分のホームページ内の記事で広告主の商品を宣伝し、そのページを見た人が実際に購入や契約に至った場合に、その成果に応じた報酬が支払われる仕組み

私もこのブログを運営していてGoogleアドセンスとアフィリエイトの収入を得ています。

私は2021年4月現在で月1000円程度の収入ですが、PV数やアフィリエイトの種類によっては数十万円稼ぐことも夢ではありません。

ブログ、サイトからの収益については工作機械設計者であり技術ブログを運営しているしぶちょーさんの記事が参考になります。

技術ブログの収益

WEBライティング

WEBライティングとは企業のホームページや個人で運営しているブログに掲載するための記事を書く仕事です。

機械設計で培ったノウハウや会社での経験談を書くことで報酬を得ることができます。

個人のWEBライティングの単価は1文字1円~からが多いです。

しかしこれも実績を重ねれば単価を高くしていくことも可能になります。

仕事を得ることができる場所はココナラやランサーズ等のクラウドソーシングを利用するのがいいでしょう。

【クラウドソーシングサービス】

ココナラ

ランサーズ

クラウドワークス

ハンドメイド製品販売

ハンドメイド製品販売も機械設計者ができる仕事です。

3DCADを使用して設計を行い、自分もしくは外注さんにお願いして製作します。

ハンドメイド作品の例でいえばこのようなものがあります。

  • バイクや車の部品
  • 子供が遊ぶおもちゃ
  • インテリア用品

これらを製作してメルカリやヤフオクで売るのもいいでしょう。

女性向けのハンドメイド作品であればminne(ミンネ)を利用してみましょう。

3D・2Dデータ作成

機械設計者であれば当たり前に使っている図面データの作成もお仕事にできます。

2D図面を3D図面に起こしたり、逆に3D図面しかないものを2D図面にするお仕事もあります。

今まで2DCADしか使っていなかったが3DCADに移行するために図面を3D化したいと考えている会社は多くあります。

しかし社内では3D化する人がいない場合や時間がとれないといった企業から受注できる可能性があります。

仕事の獲得方法

機械設計者が会社から独立する時に一番に考えないといけないことは「仕事を獲得する方法」です。

逆に仕事を安定的に獲得さえできればフリーランスとして生きていくことは難しくありません。

ここでは仕事を得る4つの方法をお伝えします。

技術コンサルタントとして独立開業して年間1000万円稼ぐ方法にも仕事の獲得方法について書かれています。

前職のツテから仕事を得る

一番現実的で容易にできるのが前職や過去自分が働いていた会社や取引先から仕事を得る方法です。

仕事の中で実績を積んでいて信頼があれば仕事をもらえる可能性が高いです。

注意点としては仕事を頂く時には「お客さん」と思って接することです。

会社員の技術職であった方は高圧的な態度をしたり、プライドが高く頭を下げることができない人がいます。

サラーリマン設計士であれば、そのような態度でも会社から給料が支払われますがフリーランスとして働く場合には仕事を受注することができません。

考え方を180度入れ替える気持ちで、人に接するようにしましょう。

設計事務所からの外注←オススメ

設計事務所の外注設計者として業務委託契約を結んで仕事を得る方法もあります。

業務委託契約

業務委託契約は会社が業務を外部の企業や個人に委託する際に行う契約です

「何時から何時まで働いてください」という時間的な制約を受けることも基本的になく、あくまでも委託された業務を遂行すること、もしくは成果物を完成させることで「報酬」が支払われます

設計事務所は正社員を雇うことを嫌います。

なぜなら忙しい時はいいですが仕事が少なくなった時に正社員を多く雇っていると固定費がかさみ、経営が苦しくなってしまうからです。

そのため仕事の増減に対応がしやすい外注設計者さんを抱えておきたいと設計事務所は考えています。

京都にある株式会社テクノリンクさんでは「外注設計者募集」のページがありました。

機械設計、自動機設計の対応が可能な外注先を募集しております。

上記の計画設計、詳細設計、製作図等の対応が可能な方。
Micro Cadam,CATIA,SolidWorksで作図可能な方。
打合せ等で当社に来社頂ける方。(府内または近県の方が望ましい)

出典:株式会社テクノリンクさん

※2021年4月8日現在は募集を停止しているようです。

外注設計者を募集している会社を見つけ自分の技術を認めてもらうことができれば業務委託契約を結ぶことができます。

自分でメーカーや商社、エンドユーザーに売り込みにいく

企業のホームページに求人募集ページがなかったりした場合でも自分から営業をかけることで仕事を獲得する方法もあります。

営業先は

  • 機械メーカー
  • 商社
  • 機械や部品を使うエンドユーザー

こういった企業に自分から営業をかけて機械設計や技術コンサルタントの仕事をとります。

この時に大切になってくるのがブランディングです。

前職のツテを利用した場合は自分のこれまでの仕事内容や実績、人間性を理解してくれているので仕事を得やすいです。

しかし初めて営業をかける場合は「自分が何者なのか」を営業先の人は知りません。

そのため、まずやらないといけないことは「自分が提供できること」を相手に理解してもらう道具が必要です。

オススメするのは自分のホームページツイッターアカウントを持っておく事です。

この2つに自分の今までの仕事内容これから提供できるスキルを明示することにより、営業先に「自分が何者か」を提示することができます。

ホームページの作り方やツイッターアカウントの作り方について知りたい場合には直接ご連絡下さい。

問い合わせフォームはこちらです。

ココナラやランサーズ等のクラウドソーシングを利用する

クラウドソーシングサービスを利用して仕事を得る方法もあります。

クラウドソーシング

不特定の人や群衆を意味する「crowd(クラウド)」と、業務委託を示す「sourcing(ソーシング)」を組み合わせた造語

企業や個人が業務を不特定多数の人に業務委託する業務形態を指しますが、インターネットを活用している点に特徴があります

必要なときに必要な人材やスキルを気軽に調達することが可能なため、クラウドソーシングを活用する企業が増えてきている

イラストレーターやITエンジニアの業界ではたくさんの取引がクラウドソーシングを使って利用されています。

機械設計の分野ではまだまだ仕事件数は少ないものの、これからクラウドソーシングが使われていく可能性は十分考えられます。

クラウドソーシングで仕事を得る場合の注意点としては単価が安くなってしまい、設計者の利益が減ってしまう可能性がある点です。

特にフリーランスの仕事を始めて間もない内は実績がないので極端に安くなりがちです。

初心者のうちは仕方がないので実績をかさねて、信頼を得るまでは割り切って仕事をしましょう。

クラウドソーシングサービスは以下のものが有名です。

興味がある方はどんな仕事があり、どういった方が仕事をしているのかチェックしてみましょう。

【クラウドソーシングサービス】

ココナラ

ランサーズ

クラウドワークス

フリーランス機械設計者は年収どれくらいになるのか

フリーランスの機械設計者になってどのくらい稼げるのか気になりますよね。

これは正直に言ってしまえば人それぞれです。

年収1000万円を超える人もいれば300万円にも満たない人がいます。

会社とは違いフリーランスで働く場合には自分が働かなければ収入は0円になってしまうからです。

ただし機械設計の相場はだいたい決まっており、単価3000円/時が基本になっています。

もし時給3000円、週40時間働いた場合には3000円/時間×40時間/週×4週×12カ月=5,760,000円(年収)になります。

ここから税金や経費が引かれることになるので手元に残る額はこれよりも小さい金額です。

ただしもっと働きたい場合や単価を上げるのもフリーランスであれば自由なので稼げる金額はまさに人それぞれと言っていいでしょう。

フリ-ランスになるために必要な道具

機械設計者でフリーランスで働く場合は自分で必要な道具を揃えないといけません。

会社員であれば会社から高スペックのものが無料で支給されていましたがフリーランスであれば全て自分で購入する必要があります。

道具の中でも大切になってくるのがパソコンとCADソフトです。

パソコン

※執筆中

CADソフト

フリーランスで機械設計の仕事をしようと思う場合にはCADソフトが必須です。

CADソフトは2次元CADと3次元CADのどちらか、もしくは両方が必要になります。

2DCADの場合は次のソフトがフリーランス設計者の間で使われています。

  • AutoCAD
  • DraftSight
  • IJCAD
  • ZWCAD

3DCADは次のソフトが使われています。

  • SOLIDWORKS
  • iCAD
  • Inventor
  • Fusion 360

2DCAD、3DCADどちら共ソフト選定をする場合には以下の事を考慮します。

  • 自分がこれからやっていく仕事とマッチするか
  • 費用

機械設計の仕事ではお客様とCADを統一した方が図面モデルやり取りがスムーズになるためお客様、もしくはお客様になるであろう人とCADを統一しておいた方が有利です。

費用については2DCADの場合はZWCAD3DCADの場合はFusion 360がコスパに優れています。

ZWCADについてはこちらの記事に価格や使い心地について書いています。

ZWCADはフリーランス機械設計者にとってピッタリの2DCAD【2021年最新レビュー】

独立するまでに必要な時間と実績

機械設計者として何年くらい会社勤めをすれば独立してフラーランスとして働いていける?と思われる方がいます。

答えは「いつでも独立できる」です。

会社勤めを全くしていなくても、フリーランス機械設計者として仕事を受注することができるのであれば、会社での経験年数は関係ありません。

しかし、まだ一度も会社で働いたことがない人であれば、メーカーでも設計事務所でもいいので機械設計の仕事をしてみることをオススメします。

会社で機械設計をしていると

  • 人間関係が学べる
  • 学校では習っていない機械、電気、ソフトを学べる
  • 情報収集のやり方について学べる

このような学びがあります。

特に仕事をする上での人間関係を学べるというのはとても大きなことです。

会社から独立してフリーランスになった時のリスク

会社から独立してフリーランスになると会社員時代の毎月収入が入ってくる「安定」はありません。

売上は自分の頑張り次第で変わるからです。

また社会の景気や業界の景気にも大きく左右されます。

リーマンショックやコロナ不況で自営業者が苦しくなったという話は多いです。

そのため会社員に比べてフリーランスの経済的リスクは非常に高くなります。

リスクを分散するために仕事をもらっている会社(個人)を複数持っておく等の工夫が必要になります。

気持ちの面では「最悪、会社員に戻ればいいや」という思いでフリーランスをやると思い詰めずに仕事をすることができます。

今すぐ独立でいない人は副業から始めてみてはどうか

会社員からいきなり独立するのは非常にリスクが高いです。

よく勢いで会社を辞めて独立する人もいますがそういった場合は計画性がないので失敗することが非常に多いです。

まずは副業として、本業とは別に一定の収入が稼ぐことができるのかをやってみればいいと思います。

機械設計者はパソコンとCADソフトさえあれば図面をかくことができます。

高級なCADソフトさえ使わなければ数十万円の投資で仕事を始めることができるのでまずは機械設計のの副業をやってみてはどうでしょうか?

現役フリーランスの参考記事

機械設計メモ2

フリーランスの機械設備・ライン設計者として活躍しているENGINEER48さんの独立に関する記事は独立を考えている機械設計者ならば必読です。

特にフリーランスになる方法の記事はどうやって仕事を得るかのヒントを与えてくれます。

ENGINEER48さんのフリーランス/独立に関する記事一覧

機械設計でフリーランスになる方法と、なった場合の話

ハジ×機械設計

大手メーカーで製品設計を10年、副業としてCAD関連のフリーランスをしている、ふくかずさんの記事です。

フリーランスで働くために何から始めればいいかを教えてくれます。

機械設計者がフリーランスで月5万円稼ぐ

のぼゆエンジニアリング

のぼゆさんは個人事業主として、機械設計の仕事をしている方です。

機械設計事務所で修業を積み、それから独立をされています。

仕事を獲得する際の、見積もりのやり方について詳しく記事にされています。

のぼゆさんのフリーランスに関する記事

機械組立の部屋

機械組立の部屋の管理人さんは機械組立工として独立をされている方です。

ご自身の実体験や周りの方のフリーランスさんの状況について詳しく書いてある記事です。

転職や独立に優位な職種と年収/機械装置業界

フリーランスが難しいと思ったら転職してみては

ここまで機械設計者がフリーランスになる方法をまとめてきました。

機械設計者として独立するのは夢があり一度は憧れるものです。

しかし独立してお金を稼ぎ続けるのは簡単ではありません

また家族がいる人にとっては独立するリスクを取れない人もいると思います。

そういった方は独立ではなく転職を考えてみてはどうでしょうか

転職して年収を上げたり、仕事環境、仕事内容を変えている人は今の時代多くいます。

当然、独立よりもリスクが低いです。

「転職は興味あるけど大変そうだし、なんか怖いな」と思っている方はまずは転職エージェントに相談だけしてみるのがオススメです。

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転職エージェントについてご興味がある方は次の記事を読んでみて下さい。

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