ローレットネジとは
別名ローレットノブとも呼ばれます。
ネジやボルトはスパナや六角レンチを使って締め付けと緩めを行います。それがローレットねじの場合はネジを手で直接回す事ができるので工具レスでネジの脱着をする事ができます。
つまみ部にローレット加工と呼ばれる細かい凹凸が付いています。この部分が滑り止めになり手で持って回す事ができるのです。
ネジの外径よりもつまみ部が太くなっているので指で持ちやすいのも特徴です。
ローレットネジの種類
ローレットネジにはいくつも種類があります。大きく分類するとおねじタイプ、めねじタイプに分けられます。
おねじタイプはめねじが切られている部品とバカ穴があいている部品を締結させます。通常のキャップボルトの使い方と同じです。
またナットやローレットめねじタイプも合わせて使用しボルト/ナットのような使い方もする事ができます。
ステンレス製だけではなくつまみ部が樹脂のタイプもあります。樹脂の黒みは機械を見た目から引き締める効果もあります。
ローレットネジの使用箇所
ローレットネジの最大の特徴は工具不要でネジを脱着できる点です。
この特徴を生かして工具が使えない場所や工具を使いたくない場所で使用します。
例えば半導体製造現場や製薬・食品工場はクリーン服と呼ばれる作業着を着ながら製造します。
オペレーターと呼ばれる作業員の方は手に何重も手袋をするため細かい作業がやりづらい場合があります。
そういった方が機械の型変えをする為に部品を外す場合は六角レンチよりも作業性が良く、工具が不要なローレットネジが好まれます。
ローレットネジが使えない場所
ローレットネジの弱点は締め付け力が弱い点です。
キャップボルトを六角レンチで締め付けた場合で比べると以下の違いがあります。
- トルクを掛けるための長さが違う
- 引っ掛かり具合が違う
六角レンチは柄の長さがトルクの長さの値になりますがローレットネジの場合はつまみの半径分しかトルクの長さになりません。
引っ掛かりも六角レンチではしっかりと固定されますがローレットネジは指とローレット部の摩擦でしかつかめないので滑りやすいです。
このような理由からローレットネジは締め付け力が弱いです。そのため以下の場所での使用はオススメできません。
- 力の掛かる箇所
- 位値決めのためにしっかりと固定したい場合
- 振動がある部品
上記の場所では通常のボルトやネジを使用しましょう。
ローレットねじ以外の工具レス締結
ローレットネジ以外でも工具レスで部品を締結できる方法はありますので紹介します。
ローレットねじと並んで工具不要で部品同士を締結できます。レバーになっているのでローレットねじに比べて大きなトルクを掛ける事ができるのが特徴です。その分レバーが邪魔になる場合もあります。
クランプ位置ではねじが回らないようにクランプさせアンクランプ位置ではネジを締めたり、緩めたりできるようになっています。
イマオからも工具レスクランプが豊富にラインナップされているのでご興味がある方はのぞいてみて下さい。
以上