機械メーカーで設計者として働いている方は日々の情報共有をどのような形でやられていますか?
エクセルを使っている方が大半なのではないでしょうか。
エクセルは大半の会社で使用されていて社会人であれば誰でも操作できるほど普及されています。
私の会社でも簡単な計算や表作りはエクセルで行います。
エクセルは優れたツールですが一点だけ欠点があります。それは情報共有性の弱さです。
個人で作業する時は力を発揮しますがみんなで同時に編集したり、情報共有を瞬時に行いたい時は大変不便です。
私も設計情報を共有したい時にエクセルは使いづらいなと感じてきました。
その悩みを解決させたのがGoogleスプレッドシートです。
機能はエクセルに似ていますが情報の共有性においては圧倒的にスプレッドシートが優れています。
この記事ではまずエクセルとスプレッドシートの違いについて解説します。
次になぜエクセルは情報共有性が弱いのかを見ていき最後に現役の機械設計者である私が使用している「設計課題共有」のスプレッドシートを公開します。
エクセルとスプレッドシートの違い
エクセルとスプレッドシートは機能としてはとても似ています。どちらも表計算ソフトと呼ばれデータの集計、計算を得意とします。
集計したデータをまとめるのも得意でグラフも簡単に作る事ができます。図形や画像も簡単に取り込めるので会社では説明用資料やワードの代わりに文書ソフトとして使っている人もいます。
エクセルとスプレッドシートどちらもこの機能は変わりません。細かな機能面は当然違いますが高度な関数を使う人以外はどちらでも代用できます。
機械設計者として働いている私も普段エクセルもスプレッドシート、どちらも使いますが機能面に差はないと感じています。
価格はエクセルは有料ですが会社で使っている場合はエクセルのソフト使用料を個人で払う事はないと思うのであまり関係ないです。
しかし1点だけ大きな差があります。それは他者との共有性です。
スプレッドシートが最も優れている点は圧倒的に情報共有性が高いところです。
情報共有性が高い理由はデーターの保存先にあります。
エクセルの保存先はローカルサーバーです。スプレッドシートの場合はオンライン上です。
これがどういう事かというと、ローカルサーバーに保存されていると当然そのサーバーにアクセスしなくてはいけません。そうすると必然的にパソコンが必要になり、それも会社のサーバーにアクセスできるパソコンが必要です。
それに比べてクラウド上にデータがあればクラウドにアクセスをする事ができればいつでもどこでもどんなデバイスでもアクセスする事ができるのです。
スマホ1台あれば本社にいようと営業所にいようとお客様のところにいようが容易にアクセスし閲覧、編集ができます。
これがスプレッドシートが情報共有性に優れている圧倒的な点です。
なぜエクセルで情報共有してはダメなのか
エクセルで情報共有している会社もあります。会社もあるというより大半の会社はスプレッドシートを使わずにエクセルを使っています。
ではなぜエクセルで情報共有をしてはダメなのでしょうか。
それは理由が2点あります。1点目は先程お伝えしたように保存先がクラウドではなくローカルサーバーだからです。
ローカルサーバーにデータがある事で社外からのアクセスが困難であったり時間がものすごく掛かってしまう為です。
もう1点目は複数の人の同時編集性です。
会議等で議事録を取る時や何かを決める時も私はスプレッドシートを使っています。なぜならば複数人で同時に編集できるからです。
エクセルの場合はデフォルトでは1人の人が編集している時は別の人が編集しようとブックを開くと読み取り専用で開くしかなく、同時に編集する事ができません。
エクセルにも同時に編集ができるように「ブックの共有」というコマンドがあります。
どうしてもエクセルで同時に編集したい場合はこの機能を使ってみて下さい。
スプレッドシートの場合はデフォルトで多数の人がデータを同時に開いても全員が編集でき誰がいつどう編集したかの履歴も残ります。
現役の機械設計者が使っている設計課題スプレッドシートを公開
私が業務で実際に使用しているスプレッドシートの一部を公開します。
設計士として働いている私は機械の設計や既存の機械の改造をするために社内の人と情報を共有する事があります。
共有する人は私以外の機械設計者、電気設計者、画像プログラマ、組立者、営業、製造管理の人達です。共有する情報は顧客情報、工程、課題、価格等です。
彼らと情報を共有する事でより早く、優れた機械を安く作る事ができます。この時代、設計者の独断だけでいい機械を作る事ができません。
設計者以外にも営業や組立、マーケティング、時には外部の人達と情報を共有する事で他社より優れた機械を生み出す事ができます。
機械メーカーの仕事内容についてはこちらの記事で紹介してます。
私が業務で使っている「設計課題シート」が以下のものです。
このシートは現在の機械やお客様のラインの課題を抽出しどうやったらその課題を解決できるかを会社内で議論させるためのシートです。
使い方としてはまずは設計の課題を抽出します。これは設計者もやりますが顧客の声を実際に聞いている営業マンがやってもいいです。
その次に現状での課題解決方法を書きます。ここには現在お客様がやられている方法を書き出します。
最後に設計者(設計者以外でも可)が考えた課題の解決案を出していきます
このシートを社内の関係者で共有します。このシートはデザインレビュー時にも使えてその場で全員が編集者として書き込む事もできます。
自分の勉強や工程表でもスプレッドシートが活用できる
私は設計情報以外にもスプレッドシートを使っています。
例えば自分が勉強した事のメモにもスプレッドシートを使います。言わばノート代わりです。スマホにスプレッドシートをアプリとしてダウンロードしていつでもどこでも勉強したら学んだ事をメモします。
スプレッドシートであればデータがクラウド上にあるので通勤途中や昼休み、出張先のホテルでもスマホを開けばメモができて見返す事もできます。
勉強を誰かとは共有する事はありませんがスプレッドシートで工程表を作り共有した事はあります。
工事の工程が次々に代わる案件で使用し大変便利でした。エクセルに比べると保存も自動でやってくれて楽なので保存忘れもなく、工事現場で作業しながら工程表をスマホで書き換えていました。
皆さんもまだスプレッドシートを使用した事がない方がいれば一度でいいので体験してみて下さい。PC版もアプリ版(アップル)、アプリ版(グーグル)も無料で使用する事ができます。
以上