【検収って何?】機械メーカーにおける検収の意味を理解する

検収の意味を正確に知っていますか?

メーカーや商社で働いていると必ず出てくる言葉です。

私は機械メーカーの設計者として5年間働いていますが新卒の時は全く検収の意味が分かりませんでした。

今は検収とは「仕様書通りのモノやサービスが納められているかの確認作業」と理解しています。

ただ難しいところは会社によって、また提供するサービスによって検収の意味合いが変わるところです。

この記事では検収の意味と様々な検収条件の事例について紹介します。

ドラフター

検収を分かりやすく解説してるよ!

目次

機械メーカーの検収とは

IT用語辞典によると検収とは

検収とは、製品の受発注に際して、納入された製品に問題がないか発注側が検査すること。物品の場合は「検品」とも言う。

と書かれています。

これを噛み砕いて言うと「オーダーした商品が問題なく納入されたかお客様が確認する作業」です。

具体例として部品に穴を開けるボール盤を購入した時を考えてみます。

自社でボール盤を購入し、工場に機械が納入されます。

この時点であなたはお金を払いますか?

払いませんよね。

なぜならば正常に動作するか分からないからです。

もしかしたら新品なのに壊れている可能性があります。

そのため、あなたは動作確認をするでしょう。

これがまさしく検収作業です。

機械が仕様書通りに動作するのか、外観にキズはないか、予備品は間違いなくついているか、これらの確認が検収作業です。

ドラフター

自分が欲しかった商品が届いていて、中身に問題がないかを確認するのが検収作業!

検収を行う理由

仕事は相手が求める物(商品)を納めてお客様からお金を受け取ったら終わりです。

相手が求めてる物は仕事によって異なります。

物の場合もありますしサービスの場合もあります。

両方の場合もあります。

機械メーカーでも何種類か商品はあります。

  • 機械本体
  • 部品単品
  • システム
  • 改造工事
  • 故障原因調査

これらの商品をお客様にきちんと受け取りをしてもらわないとメーカーはお客様からお金を受け取ることができません(請求書を発行できません。)。

また意地悪なお客様であれば(そんなお客様は日本には少ないですが)まだ仕事は終わってないからお金は払えないと言われてしまうかもしれません。

そういった事態に陥らないためにきちんと検収を行うのです。

検収条件

検収とは確認作業ですが確認事項は仕事の種類によって様々です。

また同じような仕事でもお客様によって確認項目を変える場合もあります。

部品単体注文

部品単体の場合は部品を納めて寸法的に問題なく、傷や汚れの外観にも問題がなければそれで検収完了とする場合が多いです。

機械メーカーが部品メーカーから部品を受け取る際(納入)には図面をチェックしながら部品が図面通りに仕上がっているかチェックを行っていきます。

機械本体

機械本体の場合はお客様や機械によって全く変わります。

もっともシンプルな検収条件が「車上渡し」です。

車上渡しとは字の通り、車の上で機械を渡し、問題がなかったらそれで検収完了になります。

機械をメーカーの工場からお客様の工場に荷受け前までトラックでつけます。

車上渡しの場合、ここまでが機械メーカーの仕事になります。

この先の機械の荷下ろし作業はお客様の担当になります。

そのため最悪の場合、機械の積み下ろしで機械を落としてしまい全損した場合、メーカーに全く責任は発生しません。

車上渡しはお客様から見ると最も安く済ませる方法です。

また機械メーカーから見ても手間が掛からずにお客様に機械を渡し売り上げをあげる事ができます。

しかし車上渡しのパターンは中古の機械ではありますが新規の本体の場合は少ないです。

なぜならお客様は機械の使い方も分かっていない為、機械の据付、調整、試運転、オペトレまで機械メーカーで行って欲しいと考えているからです。

新規機械導入の場合の検収条件は完成図書提出のパターンが多いです。

完成図書とはパーツリストや図面、電気回路図、取扱説明書等の書類です。

完成図書は機械を据付、調整、試運転、オペトレまで終えてから渡すのでこれら全てが完璧に終わっていないと検収が上がらないようになっています。

またお客様によっては検収運転を希望する会社もあります。

ボール盤の場合ですと「10mmの鉄板に穴φ20の穴が開けれる事」のように具体的に示されています。

生産機械の場合だと良品率○○%以上と大変厳しい数値を突き付けられる場合もあります。

こういった検収条件は機械受注前の仕様書の段階で決めておく必要があります。

故障原因調査

故障原因調査の場合は報告書や議事録が検収条件になります。

こういった仕事が最も難しい仕事です。

お客様は機械を直すまでが仕事と考えている場合がありますが営業マンはまずは原因調査だけのつもりで見積書をだしている場合があるので二人の間でギャップが生じます。

もしあなたが技術者として故障原因調査で出張に行く場合には営業マンに検収条件を十分に確認しておく必要があります。

ドラフター

営業と技術者で仕事の終わり方のイメージを一致しておかないと後々揉めるので注意!

技術者であれど検収条件を理解しておく必要がある

検収とはオーダーした商品が問題なく納入されたかお客様が確認する作業です。

お客様が確認する作業ではありますが検収する条件についてはメーカー、お客様で注文を頂く前に十分に確認しておきましょう。

若手の営業マンや突発的な機械不具合対応の場合は営業マンが金額ばかりに目がいき、検収条件を確認忘れている場合があります。

そうすると後から揉める事があるので検収条件については十分確認しておきましょう。

技術者であるあなたが検収や検収条件を理解しておくと仕事が大変やりやすくなります。

検収条件は営業よりも技術者が決める事が多いです。

自分が検収しやすい条件に設定する事は機械を売る上で大切です。

検収条件を厳しくすればいつまで経っても仕事を終える事ができず売り上げをあげる事ができなくなります。

もちろんお客様に満足して頂く事は大切ですが機械も完璧ではありません。

何でも完璧で全く問題ない機械が理想ですが現実ではないです。

70点の機械でもお客様に受け取って頂く必要があります。

その条件を決めるのは技術者なのです。

まずは自社の検収条件を確認する

自分の仕事や自社の機械等の商品の検収条件を知らいないのであれば調べてみましょう。

調べ方は自社の営業マンに聞けば一発で分かります。

もし聞きにくいのであれば注文書を見てみましょう。

必ず検収条件が記載されていまず。

ドラフター

技術者であってもどうやったら仕事が終わるのか(検収条件)を把握しておこうね!

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