機械メーカーの仕事

夜眠れない程しんどい機械設計の仕事|うつになりかけたエンジニアの体験談|

夜眠れない程しんどい機械設計の仕事|うつになりかけたエンジニアの体験談

「機械設計者はうつになりやすい職業」

月の残業時間が90時間を超えて仕事中は指先が震え、目がかすみ、体はクタクタなはずなのに夜は眠れない日が続いた現役機械設計者の私は言い切れます。

私は従業員500名以下の中小企業で機械設計者として働いています。

中小企業の機械設計者は機械設計以外にも山ほど仕事があります。

山ほど仕事がありながら厳しい納期をお客様から設定された私はうつになりかけてしまいました。

それが2020年の年末から2021年の1月にかけての話です。

今は2021年の2月ですが完全復帰とまではいかないですがだいぶ心が落ち着いてきました。

そうなれたのは会社の上司や同僚達のサポートがあったからです。

うつになりかけて夜眠れない日々が続いた時はとてもしんどかったです。

そんな眠れない夜は筋トレをし、体を無理やり動かす事で眠れる事ができました。

今回の記事では私の実体験に基づく経験とその解決法について書いています。

月の残業時間が90時間を超えてうつになりかけた

私は機械設計職4年目のエンジニアです。

機械設計の仕事がやりたくて現在の機械メーカーに就職しました。

上司や先輩、同期、後輩にも恵まれて忙しいながらも楽しいエンジニア人生を歩んでいました。

月の残業時間は20~30時間程度が平均で多くても45時間あるかないかという状態が入社時から続いていました。

しかし2020年の年末から2021年の年始にかけて今までとは比べ物にならない業務量が降ってきて私はうつ病になりかけました。

私は中小企業の機械設計者なので機械設計職ではありますが機械設計以外にも様々な業務を抱えています。

  • お客様からの問い合わせ
  • 既存機械の定期点検
  • 既存機械のトラブル対応
  • 機械の調整、出荷作業

こういった作業が通常業務の中であります。

幅広い業務ができるのが魅了な反面、やらなければいけない事が多く、運が悪いとトラブルが重なり業務量が増えてしまいます。

これらの業務は1人でやっているわけではなく数名のチームでやっているのでこれまではカバーできていました。

しかし今回は圧倒的に業務量が増えすぎてしまって私と同じチームメンバーも各自がものすごい仕事量をこなさなければいけませんでした。

具体的に私の残業時間と休日出勤時間をまとめたのが下記の表です。

中小企業で働く機械設計者の残業・休日出勤時間

2020年の12月の残業・休日出勤時間が66時間。2021年の1月が91時間でした。

残業時間が90時間を超えた働き方とは毎日夜、9時まで残業をして休日は月に1、2回という働き方でした。

私の場合は24日連続出勤でした。

こういった状況の中で私はうつになりかけてしまいました。

うつになると指先が震え、目がかすんでくる

私がうつになりかけたと思った症状としては以下のものが体に現れてきました。

  • 仕事中に指先、足先が震えてくる
  • 視力が裸眼で1.0あったのに近くのものさえ見づらくなってしまう
  • 疲れているはずなのに夜中3時まで眠れない

こういった症状が体に出始めました。

真っ先にでたのが指差の震えでした。

私は会社からスマホを支給され業務中はスマホを携帯する事を義務付けられれています。

スマホには社内の営業マンや組立現場、お客様からの問い合わせやトラブルの連絡が入ります。

残業時間が極端に多くなった12月頃、私は着信がなるたびに心に動悸がしていました。

また現場から呼び出されるのではないか、お客様から機械のトラブルの連絡ではないかそう思うと心がどんどんしんどくなったからです。

そして案の定、組立現場から「部品がないぞ」と言われ大至急発注しないといけない場面になり私はまた仕事が増えるつらさと更なる心のプレッシャーから指先が震え始めました。

大至急部品を発注しなければいけない理由は最終的にお客様に迷惑が掛かってしまうからです。

部品がないと以下の事が起こります。

  1. 部品がない
  2. 機械が組みあがらない
  3. 機械の調整ができない
  4. 機械の納入が遅れる
  5. お客様に迷惑がかかる

お客様に迷惑は絶対にかけられないという思いが私に大きなプレッシャーを掛けていた一因でした。

指先の震えがでてきた後、次に出た症状が目のかすみでした。

機械の調整をしている時にふと壁に掛かっていた時計を見ても何時かが分からなかったのです。

黒い針みたいなものがぼんやりとあるのですがそれがどの方向に向いているのかが見えなかったのです。

私は元々視力が良く、直近の視力検査でも裸眼で両目とも1.0でした。そんな私が壁時計の指針が見えなくなるのは心にかなりのプレッシャーを受けそれが体に出ていると感じました。

そして日中、膨大な仕事量とプレッシャーを掛けられ体も心もクタクタなはずなのに夜家に帰ってシャワーを浴びベッドに入っても全く眠れませんでした。

ベッドに入っても頭の中では

  • 部品は発注したのか
  • 協力会社への連絡はどうなっているんだっけ
  • ○○さんにお願いしていた設計はどこまで進んでいるのか

そんな事が頭を巡り体は疲れているけど脳はフル回転してるような感覚がありました。ベッドに入るのが夜12時でも実際に寝るのは3時という日々が続きました。

とうとう朝出勤できなくなってしまった

夜眠らない日々が続きながらも私は業務をこなしていました。

しんどいけど心では「仕事をやりきなければいけない」と強く思っていたからです。

そんな日々の中である日会社に出勤しようとし玄関で靴を履いてドアを開けようとした時に体が動かくなくなってしまいました。

「仕事に行け」と心に言い聞かせていても体が全く動いてくれません。自分が石ではないかと思う程体が硬直していました。

玄関で座り込み15分ほど全く動けませんでした。

もう無理だ。しんどい。辞めたい。そんな言葉が頭の中を駆け巡っていました。

今日の午前中だけは休もうと思い、会社にメールを入れました。「私用のため急遽午前中、半休を頂きます」と。

上司にしんどい状況を説明

午前中は休み私は午後からなんとか出勤する事ができました。

会社に着き自分のデスクに座りまずはメールチェックしようかとマウスに手を置いたその時自分でもびっくりした事が起きました。

指先が全く動かないのです。

マウスを動かそうとしても全く手が言う事を聞きません。

私は少しパニックになりならがらも椅子に座ってパソコンの画面を10分程見ていました。

手は全く動かさずに。

これではダメだと思いながらもどうしていいか分からずにいた私。

誰か声を掛けて欲しいと心の中では願っていましたが当然のように同僚達は自分の仕事に集中していました。

自分でなんとかしなくてはと思い私は上司に声を掛けました。

「ちょっといいですか。お話ししたい事が」

上司に別室で話を聞いてもらいました。

  • 心のしんどさ
  • しんどいと思う理由
  • 指先の震えや目がかすんでいる事
  • 夜眠れない事

上司は私の話を遮る事なく最後まで聞いてくれました。

私は話しただけで心が少し軽くなりました。

落ち着いたと言っていいかもしれません。

自分のしんどいという感情を人に伝えるだけでも人間は楽になるんだと感じました。

上司は私の話を聞くと、「俺は心のケアの専門家ではないから詳しい事は分からない。だからまずは病院に行ってきなさい。もし何か治療が必要であればサポートするから」と言ってもらいました。

この言葉を聞いただけで私はすごく安心感を覚えました。

そして次の日病院に行く事にしました。

神経外科で神経について詳しく調べた

上司に話を聞いてもらった次の日、私はうつ病ではないかと思ったので心療内科に行く事にしました。

近くの心療内科に電話をして診察をお願いしたのですがどの病院も事前予約制で予約も1カ月以上空いてないと言われてしまいました。

心の病を抱えている人はかなりの数いるんだと実感しました。

次に私は神経外科に行く事にしました。

指先の震えが出ていた事と神経のすり減りが体に支障をきたしている原因ではないかと思ったからです。

神経外科ではまず起きている症状を聞かれました。

  • 仕事中に指先、足先が震えてくる
  • 視力が裸眼で1.0あったのに近くのものさえ見づらくなってしまう
  • 疲れているはずなのに夜中3時まで眠れない

こういった症状が出ている事を伝えると先生はMRIと呼ばれる体の臓器や血管や神経を詳しく調べる事ができる装置で検査してみましょうと提案してくれました。

診断結果は以下のようなものでした。

  • 首のヘルニアで手足の神経を圧迫している
  • 筋肉もかなり固まっている
  • ストレスが溜まりそれが手足の神経を敏感にしている可能性が高い

大きな病気ではないがストレスでかなり神経を敏感にさせているのが指先の震えや目のかすみにつながっているという事が分かりました。

治療方法としては首のヘルニアを手術で取り除く事ができるがリスクも高いので今は整体や日々の運動で体の緊張をほぐして症状がでにくい体を作っていこうと言われました。

私は自分が大きな病気もしくはうつ病になってしまっていたのではと思っていたのでそれを聞いた時には安堵しました。

しかし心へのストレスが原因で体に異変をもたらしていたのでそれは何とかしなければと思いました。

機械設計者がストレスをため込まないようにする方法

うつ病になりかけ、ストレスで神経を圧迫させいた私ですが仕事を休むという選択肢はありませんでした。

なぜならば私には調整中の機械があり仕事を休んでしまうと機械の納入が遅れお客様に迷惑が掛かってしまうからです。

それだけは私の技術者のポリシーで譲れませんでした。

人によってはまずは自分の身体を大事にした方がいいと声を掛けてくれた人もいました。

しかしなんとしても仕事をやりとげたいという気持ちが強くあったので仕事は休まずに働く事にしました。

しかしストレスを低減しなければ体が悲鳴を上げてしまうので私は次の事を強く意識しました。

自分以外でもできる事は全て他人に任せる

中小企業の機械設計者はとにかくやる事がたくさんあります。

その中には社内の調整、機械の清掃、書類の取りまとめ等、機械設計者の私以外でもできる事はたくさんありました。

これまではそういった業務も大切な業務と考え率先してやっていました。

しかし心のストレスの低減、自分の業務時間の短縮化をさせる為には私以外でもできる事は他人にお任せしようと決めました。

忙しい機械設計者がお願いしたら業務を引き受けてくれる

私は人にお願いする事が苦手な性格でした。

  • お願いされたら迷惑ではないかな
  • 業務が増えて嫌がられないかな

こんな風に思ってしまいがちでした。そのため他人に業務をお願いする事が少なかったです。

しかし自分のストレスを軽減するためにお仕事をお願いするようになって感じた事は意外とすんなり仕事を引き受けてくれる事でした。

品質保証部の女性社員に書類のまとめをお願いしにいくと全員嫌な顔一つせず笑顔で仕事を引き受けてくれました。

やって頂いた仕事結果は私よりも数段レベルが高い物に仕上がっていました。

私のストレスも業務量も減り、かつ仕事内容のレベルが上がれば会社としても良い、今まで何で全て自分で仕事をやろうとしていたんだろうと思いました。

人には得意、不得意があり機械設計が私は得意だけど書類をまとめる事は苦手でした。

苦手な業務を自分でやるより会社には自分が苦手な業務を得意とする人がいるのでその人達にお願いすればいいんだと機械設計職を4年やっていて初めて気づく事ができました。

仕事をやり通しエンジニアとして心のスキルがレベルアップした

業務を他人にお願いできるようになったお陰で私は自分の機械の調整業務に集中する事ができました。

無事スケジュール通りに機械の出荷も決まりお客様に迷惑を掛ける事もせず仕事をやり通す事ができました。

今回の業務をやり切った事で機械系エンジニアとしてのスキルを大きく上げる事ができました。

それと同時に心のレベルアップにもつながりました。

絶対に遅らせる事ができない納期のプレッシャーを約2か月間受け続けながらも仕事をやり通せたことは自信につながりました。

この経験を30歳でできた事は私のエンジニア人生にとってプラスになると思っています。

機械の仕様打ち合わせ、設計、発注、調整をやり遂げたという自信は大企業の機械設計者ではなかなか経験ができないからです。

中小企業の機械設計者のやりがいについては以下の記事にも書いています。

うつを克服できたのは会社の同僚、上司のサポートがあったから

うつになりかけていた私が業務をこなし仕事をやり切り、うつの症状も発生しない状況になれたのは私の頑張りではなく会社の同僚、上司のサポートがあったからです。

上司は私が相談に行った時に自分の意見は言わずひたすら私の話を聞きすぐに病院に行った方がいいと勧めてくれました。

同じチームで働く同僚達はできる事は最大限手伝ってくれ、顧客や営業からの問い合わせは私に代わり回答してくれました。

別部署の品質保証部や製造部の方々も少しでも私の業務がスムーズになるように配慮してくれました。

こういった会社の仲間達のサポートがあったお陰で私は仕事をやり切ることができ心も成長する事ができたと感じています。

もし1人で全てをやらないといけない状況であれば私は間違いなく精神的に潰れていました。

もし私と同じように精神的にいっぱいいっぱいになっている機械設計者、技術者、エンジニアの方がいればすぐに周りに相談し、業務のサポートをお願いしましょう。

きっと多くの方があなたを手助けしてくれます。

もし手助けをしてくれない、もしくは手助けできない状況の会社であればすぐに転職する事をおすすめします。

会社がエンジニアをサポートしてくれない会社にいても幸せにはなれないと私は考えがえています。

機械設計者をはじめエンジニアをこき使うような会社は会社自身は成長してくかもしれませんがエンジニアが経済的、スキル的に成長してくのは難しいです。

そんな会社にいるよりはエンジニアを大切にしてくれる会社を選ぶ方が幸せになれます。

もし今の会社でやっていくのがしんどいと思ったら転職エージェントに登録してみるのも良いかもしれません。

転職活動のやり方とオススメ転職エージェントは以下の記事に書いています。

厚生労働省が発行しているパンフレットには長時間に渡る過重な労働は脳・心臓疾患との関連性が強いという医学的知見がでています。

また月45時間を超えて長くなるほど脳・心臓疾患の発症と業務の関連性が強くなるとされています。

もし自分が定常的に月45時間以上の残業がある会社にいる場合は転職を含めた仕事の見直しが必要です。

過労死等防止啓発パンフレット厚生労働省出典:厚生労働省 過労死等防止啓発パンフレット

 

機械の事で頭がいっぱいにで眠れなかった時の解決策

最後に私が仕事の事で頭がいっぱいになり、なかなか眠れなかった時の対処方法についてお伝えします。

私が眠れなかった時は無理やり体を動かす事で眠りやすくなりました。

具体的に言えば家での筋トレです。

私は元々週に3回ジムで筋トレをしていたのですが仕事が忙しくなりジムに全く行けなくなりました。

仕事が終わるのが夜9時でそこから電車に乗り帰宅すると10時。夜の10時から準備をしてジムに行く気力と体力はありませんでした。

ジムにいけない日々が1カ月以上続き、仕事のストレスで夜眠れない日々が続いた時にもしかしたら筋トレをして体を疲れさせたら眠れるんじゃないかと思いました。

そこで腹筋ローラとプッシュアップバーを買って夜な夜な家で筋トレをしてみる事に。

筋トレをしてる時は仕事の事を忘れる事ができました。

また体も疲れるため眠りやすくもなりました。

1日15分程の運動ですがやる日とやらない日ではベッドに入ってから眠るまでの時間は確実に変わりました。

またストレスの発散という意味でもいいなと感じました。

私がもっている筋トレグッズは腹筋ローラプッシュアップバーベンチプレス台ダンベルです。筋トレ初心者の方は腹筋ローラとプッシュアップバーだけで充分な運動になります。

 

元々ジムに通っていた私のようにこの2つだけでは満足できない人はベンチプレス台とダンベルも購入するといいでしょう。ジムと同じくらいの強度の筋トレができます。

家族がいる場合で家で筋トレをするのが難しい場合はジムに行く事をおすすめします。

今は24時間空いているジムが都会だけではなく地方都市でもたくさんあるので家の近くや職場の近くのジムに通ってみるのもいいでしょう。