機械設計者の給料って実際いくらもらっているのだろうか?
ネットで機械設計者の年収や給料を調べてみても転職サイトが表示されてばかり。
「こんな額ホントにもらってるの?」と思ってしまうものが多いです。
そこで今回の記事では自分の給料が他の設計士と比べてどのくらい違うのかを客観的に把握できるように現役の機械設計職として働く私の月の給料と年収を公開します。
私のスペックは以下の通りです。
- 現役機械設計者
- 機械設計歴4年
- 四年制大学機械学科卒
- アラサー
- 社員500名程度の中小機械メーカー勤務
私だけの情報であれば客観的な情報にはならないので厚生労働省や転職サイトのdodaさんが出しているデータも設計者の月収、年収を知る情報になるので紹介します。
自分の給料が他の設計士や職種とどのくらい違うかを確認できますので参考にして下さい。
最後に機械設計者が年収をあげる方法を2つ紹介します。
自分の給料に不満を持っている方はぜひチェックしてみて下さい。
現役機械設計の実際の給料と年収公開
私はアラサーの機械設計者として働いています。
働いている会社は本社が地方にある従業員人数500名以下の中小機械メーカーです。
この記事の執筆時は2021年2月ですが直近の給料である2021年1月の給料は総支払額で44万1千円でした。
44万1千円の内訳は
- 基本給:27万7千円
- 残業代:7万7千円
- 休日出勤代:11万6千円
ちなみにこの月の残業時間は38時間、休日出勤時間は53時間でした。
私の場合は基本給が設定されておりそこに残業代、休日出勤代、その他の手当てが加算されます。
今回記載した給料は総支払額なのでここから健康保険、住民税、厚生年金等の税金が引かれます。
2020年1月は機械の調整のため、普段よりもかなり多くの残業、休日出勤をしました。
普段は月30時間程度の残業だけの事が多いです。
機械の据付や工事で休日出勤をする事が3カ月に1日ある程度です。
月収を比較するために2020年11月から2021年1月までの3か月間の月収と残業時間を比較したデータは次の通りです。
私の通常の残業時間と休日出勤時間は2020年11月の32時間程度です。
この時は残業代と休日出勤代は合わせて6万8千円でした。
基本給と合算すると31万6千円です。
基本給と残業代、休日出勤代以外にも手当てがつきます。
私の場合は出張に行くたびに出張費が一日数千円もらう事ができます。
月に出張は2,3日は必ずあるので1万円程度、給料に入ってきます。
ここまでは月収の話でした。
次に年収についてお話しします。
中小機械メーカーの設計職として働く私の2020年度の年収は470万円でした。
その前年の2019年は490万円、2018年は430万円でした。
年収には月収の他に年に2回出るボーナスと年1回出る期末賞与が含まれています。
2019年より2020年が低かった要因としては2020年は会社の業績が思わしくなかったので期末賞与が寸志になってしまったからです。
通常年の期末賞与がもらえていたら2019年を超える年収になったと予測できます。
厚生労働省のデータで機械設計者の月収を推定する
次に厚生労働省が毎年発表している賃金構造基本統計調査から機械設計者の月収を推定してみます。
賃金構造基本統計調査とは統計法に基づく基幹統計「賃金構造基本統計」の作成を目的とする統計調査であり、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。
賃金構造基本統計調査では産業別、年齢別に月の平均賃金の統計結果を出しています。
機械設計者であればほとんど場合、製造業に所属しているので製造業の欄を参照しました。調査結果は以下の表の通りです。
こちらの表を見る上で注意して欲しい点はあくまで製造業の統計で機械設計者に限定していない点です。
この中には製造者や機械設計者以外の技術者、品質管理部門等も入っています。
次の表ではより正確に機械設計者の平均月収を表すデータがでています。
この表は製造業における管理・事務・技術労働者の平均月収を表しています。
機械設計者は技術労働者になるのでこちらのデータに当てはまります。
そうすると30歳前後では20万代後半、35歳前後では30万円代前半、40歳前後では40万円代前半である事が分かりました。
転職サイトdodaで機械設計職の年収を調べてみた
大手転職サイトのdodaさんもdodaエージェントサービスに登録した人の平均年収のデータを職種別に集計しています。
機械設計者の年収は30歳前後では400万代後半、35歳前後では500万円代前半、40歳前後では500万円代後半である事が分かりました。
こちらの表と参照元のdodaさんの記事を見ていると機械設計者の年収は他の技術職種と比べた時に多くもなく少なくもない事が分かりました。
技術系の職種で年収が高いのは先行開発・製品企画、回路・システム設計、プロジェクトマネジメント。
逆に低い職種は評価・デバッグ、CADオペレーターでした。
もし製造業で少しでも年収を上げたい方は平均年収が高い職種にシフトする方法もあります。
機械設計者の年収を上げる方法
最後に機械設計者が年収を上げる方法を2つ紹介します。
大手機械メーカーに転職する
1つは大手機械メーカーに転職する事です。
従業員人数1000人を超える大企業であれば中小企業よりも一般的には給料が高いです。
また福利厚生も充実しているので会社の借り上げの寮があったり、住宅補助や家族手当も充実している会社が多いです。
私と同じ機械設計者や他の技術者が年収を上げていった方法は今いる会社よりも大規模な会社に転職する事でした。
特に30歳前後で結婚や子供ができた時に少しでも年収を増やす為に大企業に転職を希望する人が多くいます。
中小企業でも仕事のやりがいはあるけど家族の事を考えると収入面、安定性から大企業の方が良いという機械設計者も多いです。
転職活動のやり方とオススメ転職エージェントは以下の記事に書いています。
機械設計者として独立する
機械設計者として年収を大幅にあげたいと考えている人には独立することがおすすめです。
会社員として年収1000万円を超えるのは大変難しいですが独立した機械設計者となれば年収1000万円も実現することは可能です。
元々会社勤めの機械設計者として働いていたENGINEER48さんは今では独立されてフリーランスの機械設計者として働いてます。
ENGINEER48さんの記事によると独立1年目で年収が1000万円を超えたそうです。
次に、フリーランスになった時の月収・年収ですが「(時間単価×労働時間)-経費-税金=手取り」ですね。
私の実績を話すと(時間単価3000×労働時間)が、1年目の実績は総額1000万です。
お仕事に恵まれた形となりますが、それでも収入にならなかった時期があるので、一年間プロダクト販売無し、単純な工数請求の場合、フルで仕事があれば年収は1100万あたりが最高値になるんじゃないかと思います。
パーツフィーダーを専門に製作している自営業者のおかっぴさんもこのように言われています。
会社勤めの設計だとそんなもんだと思います。
もう少し実力つけて独り立ちすれば1000万も夢じゃ無いかも。
— おかっぴ (@PF93977784) February 9, 2021
仕事を得る事は簡単ではありませんし安定性という意味では会社員よりは劣るかもしれません。
しかし機械設計者として年収1000万円を超えるといのは非常に夢が大きいです。
チャレンジしてみたい方はぜひチャレンジしてみましょう。
機械設計者としてフリーランスになる方法はENGINEER48さんのブログで詳しく紹介されています。
私の記事でも機械設計者がフリーランスになる方法をまとめています。
今の会社で昇給が難しい場合は転職する
今回の記事では機械設計者のリアルな収入を公開しました。
皆さんの収入と比較してどうでしたでしょうか?
安過ぎると思った方もいるでしょうし、機械設計者ってこんなにもらっているのと感じた方もいると思います。
私も年収を上げたいと思っていますが今の会社でも仕事に十分なやりがいを感じているのと給料も自分が食べていく分には十分なので大きな不満は持っていません。
しかし家族ができるとやはり一番大事な事は収入になると思うので転職も考えないといけないとは感じています。
給料を上げたいと考えている方はまずは転職を考えるのが妥当です。
絶対に年収が上がるとは言い切れませんが今の会社での昇給が難しい場合には選択肢は転職するしかありません。
機械設計者が転職する場合にはまず転職エージェントに相談するのがいいでしょう。
転職エージェントは転職者と企業をつなげてくれるマッチングサービスです。
転職者は全て無料でサービスを受けることができるので使わない手はありません。
転職エージェントについて詳しく知りたい方、機械設計者にオススメの転職エージェントを知りたい方はこちらの記事に詳しく書いています。