機械メーカーの仕事

機械メーカーにおける検収の意味を理解する

機械設計者や技術者だと機械がどうやってお客様に売れていくかわからない人も多いんではないでしょうか?

筆者も現役の機械技術者ですが機械がどうやって売られてお金の受け渡しはどうなっているのかは入社当初全く分かりませんでした。

分からないながらも機械メーカーで働いているとよく耳にする言葉が出てきました。

それが「検収」です。聞いた事がある人もない人もいるでしょう。

今回の記事では技術者が「検収」の意味を正確に理解する目的で書きました。検収の意味は営業マンでなくても機械メーカーで働く人ならば覚えていて損はありません。なぜならば技術者も会社員の一員だからです。そして会社であれば必ずお金の動きがあるからです。

お金の動きを理解する事でお客様とより良い関係づくりや自分や自社にとって優位な取引ができるようになります。

検収とは

IT用語辞典によると検収とは

検収とは、製品の受発注に際して、納入された製品に問題がないか発注側が検査すること。物品の場合は「検品」とも言う。

と書かれています。

これを噛み砕いて言うと「オーダーした商品が問題なく納入されたかお客様が確認する作業」です。

具体例として部品に穴を開けるボール盤を購入した時を考えてみます。

自社でボール盤を購入し、工場に機械が納入されます。この時点であなたはお金を払いますか?

払いませんよね。なぜならば正常に動作するか分からないからです。もしかしたら新品なのに壊れている可能性があります。

そのため、あなたは動作確認をするでしょう。これがまさしく検収作業です。

機械が仕様書通りに動作するのか、外観にキズはないか、予備品は間違いなくついているか、これらの確認が検収作業です。

検収を行う理由

では次に「検収」をする理由を考えてみます。

仕事は相手が求める物(商品)を納めてお客様からお金を受け取ったら終わりです。

相手が求めてる物は仕事によって異なります。物の場合もありますしサービスの場合もあります。両方の場合もあります。

機械メーカーでも何種類か商品はあります。

  • 機械本体
  • 部品単品
  • システム
  • 改造工事
  • 故障原因調査

これらの商品をお客様にきちんと受け取りをしてもらわないとメーカーはお客様からお金を受け取ることができません。もっと正確に言うと請求書を発行できません。

また意地悪なお客様であれば(そんなお客様は日本には少ないですが)まだ仕事は終わってないからお金は払えないと言われてしまうかもしれません。いちゃもんを付けられている状態です。

そういった事態に陥らないためにきちんと検収を行うのです。

この次に検収の条件を決める検収条件について解説します。

検収条件

検収とは確認作業ですが確認事項は仕事の種類によって様々です。また同じような仕事でもお客様によって確認項目を変える場合もあります。

先ほどの機械メーカーの仕事の種類を並べてみます。

  • 機械本体
  • 部品単品
  • システム
  • 改造工事
  • 故障原因調査

部品単体注文

この中で分かりやすいのが部品単体の仕事です。部品単体の場合は部品を納めて寸法的に問題なく、傷や汚れの外観にも問題がなければそれで検収完了とする場合が多いです。

機械メーカーが部品メーカーから部品を受け取る際(納入)には良く、図面をチェックしながら部品が図面通りに仕上がっているかチェックを行っていきます。

機械本体

機械本体の場合はお客様や機械によって全く変わります。もっともシンプルな検収条件が「車上渡し」です。

車上渡しとは字の通り、車の上で機械を渡し、問題がなかったらそれで検収完了になります。機械をメーカーの工場からお客様の工場に荷受け前までトラックでつけます。

車上渡しの場合、ここまでが機械メーカーの仕事になります。この先の機械の荷下ろし作業はお客様の担当になります。

そのため最悪の場合、機械の積み下ろしで機械を落としてしまい全損した場合、メーカーに全く責任は発生しません。

車上渡しはお客様から見ると最も安く済ませる方法です。また機械メーカーから見ても手間が掛からずにお客様に機械を渡し売り上げをあげる事ができます。

しかし車上渡しのパターンは中古の機械ではありますが新規の本体の場合は少ないです。なぜならお客様は機械の使い方も分かっていない為、機械の据付、調整、試運転、オペトレまで機械メーカーで行って欲しいと考えているからです。

新規機械導入の場合の検収条件は完成図書提出のパターンが多いです。完成図書とはパーツリストや図面、電気回路図、取扱説明書等の書類です。

完成図書は機械を据付、調整、試運転、オペトレまで終えてから渡すのでこれら全てが完璧に終わっていないと検収が上がらないようになっています。

またお客様によっては検収運転を希望する会社もあります。ボール盤の場合ですと「10mmの鉄板に穴φ20の穴が開けれる事」のように具体的に示されています。

生産機械の場合だと良品率○○%以上と大変厳しい数値を突き付けられる場合もあります。こういった検収条件は機械受注前の仕様書の段階で決めておく必要があります。

故障原因調査

故障原因調査の場合は報告書や議事録が検収条件になります。こういった仕事が最も難しい仕事です。

お客様は機械を直すまでが仕事と考えている場合がありますが営業マンはまずは原因調査だけのつもりで見積書をだしている場合があるので二人の間でギャップが生じます。

もしあなたが技術者として故障原因調査で出張に行く場合には営業マンに検収条件を十分に確認しておく必要があります。

技術者であれど検収条件を理解しておく必要がある

検収とはオーダーした商品が問題なく納入されたかお客様が確認する作業です。お客様が確認する作業ではありますが検収する条件についてはメーカー、お客様で注文を頂く前に十分に確認しておきましょう。

若手の営業マンや突発的な機械不具合対応の場合は営業マンが金額ばかりに目がいき、検収条件を確認忘れている場合があります。

そうすると後から揉める事があるので検収条件については十分確認しておきましょう。

技術者であるあなたが検収や検収条件を理解しておくと仕事が大変やりやすくなります。検収条件は営業よりも技術者が決める事が多いです。

自分が検収しやすい条件に設定する事は機械を売る上で大切です。検収条件を厳しくすればいつまで経っても仕事を終える事ができず売り上げをあげる事ができなくなります。

もちろんお客様に満足して頂く事は大切ですが機械も完璧ではありません。何でも完璧で全く問題ない機械が理想ですが現実ではないです。

70点の機械でもお客様に受け取って頂く必要があります。その条件を決めるのは技術者なのです。

まずは自社の検収条件を確認する

自分の仕事や自社の機械等の商品の検収条件を知らいないのであれば調べてみましょう。調べ方は自社の営業マンに聞けば一発で分かります。

もし聞きにくいのであれば注文書を見てみましょう。必ず検収条件が記載されているはずです。