管用ねじの接続とトラブル対応方法

管用ねじは流体の配管接続用に主に使われるねじです。

エアチューブ用の1/8サイズから直径でΦ100mm以上の大きさのものまで大小様々な流体配管で使用されます。

今回は管用ねじの接続方法と流体が漏れた時のトラブル対応方法について解説していきます。

管用ねじの種類についてと加工・検査方法については以下の記事でも解説しています。

 

 

目次

管用ねじの接続方法

管用ねじは流体の漏れを防止する為のねじです。メートルねじのような締結用ではありません。

組付けをする時は特別な事をしてあげる必要があります。それがシールテープを巻く、もしくは液体シール材の塗布です。

このどちらか、または両方を施す事によりおねじとめねじの気密性が上がり高い圧力の流体が配管を流れても漏れを防止する事ができます。

正しいシールテープの巻き方

シールテープは以下のやり方で巻いていきます。

  • おねじの先端から一山分ずらして巻き始めます。もし先端から巻き始めるとねじを締め込んでいった時に先端部のシールテープが巻き込まれちぎれてしまう恐れがあるからです。ちぎれたテープは配管内を流れフィルター等につまる可能性があります。

 

  • 巻き方向はおねじの先端から見て時計方向に巻いていきます。この向きで巻く理由は管用ねじをねじ込んでいった時にシールテープがめくれないようにするためです。反時計回りですとねじがめくれシール材の役割を果たしません。
  • おねじに食い込ませるように強めに巻いていきます。Rねじ(管用テーパーおねじ)の場合はねじの全長の半分程度が基準径になります。基準径までシールテープが巻かれていればいいですが余裕を見てねじ全長の2/3程度巻いておきましょう。

※ねじ込み過ぎたと思って逆回しでねじを取ろうとする方がいらっしゃいますがそれは間違いです。締め込まれた事でおねじとめねじの間で2つのねじに密着したシールテープがはがれてしまうからです。一度緩めたらもう一度シールテープを巻き直しましょう。

管用ねじの挿入長さ

管用ねじの挿入長さを決めたい場合、管用テーパーネジ(Rねじ)では難しいです。管用テーパーネジはおねじの管端から基準径までの距離がJISで決まっているためです。

そのためRねじは挿入長さは決まってしまいます。邪道な方法ですがテーバーおねじにシールテープを多めにまいて径を太くする方法もあります。

挿入長さを任意の位置にしたい時はGねじ(管用平行ネジ)を使います。Gねじは通常は機械的接合目的で使われますがパッキン(Oリング)を併用する事により気密性を高め流体の漏れを防止することができます。Gねじの使い方は以下の記事で詳しく書いています。

 

下記の図のように管用おねじの下にパッキンを入れて締め込んでいきます。パッキンの厚みを変えるかパッキンの下にカラーを入れれば任意の位置におねじの挿入長さを決める事ができます。

現場で流体が漏れたら

配管作業を終えいざ水を流してみたら配管のつなぎ目(ねじ込んでいた箇所)から漏れでてしまうケースもあります。

配管での流体漏れの原因は様々あります。

  1. 流体の種類
  2. 圧力
  3. 粘度
  4. 継手のシール材の有無
  5. シール材の巻き方
  6. 継手の締結トルク

そのため一概に何が原因しているとは言う事ができません。ともあれ何か対策を立てる必要があります。現場ですぐに対応できる方法は液状シール材を使う事です。

液状シール材 スリーボンド

シール材は通常ねじの表面に塗りますが気密性を上げるためにシールテープを巻いた上からさらに薄くシール液を塗布するとより高い気密性を得られる事ができます

現場ではすぐにできませんがもしGねじやRpねじを使用して漏れ出てしまった場合はRcねじ(管用テーバーめねじ)に変更してみましょう。テーバーになっているのでおねじとめねじが平行ねじに比べて密着度が高まります。

Rcねじについては以下の記事で詳しく書いています。

以上
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